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2025.09.09
初級

【完全無料】今日からやるべき"40秒"議事録作成

会議の議事録作成に時間をかけていませんか?誰にも読まれない議事録作成に時間を費やすのは、もう終わりです。この記事では、完全無料で「40秒で議事録を作る方法」を、今すぐ使えるプロンプト付きで解説します。

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マジくん

マスター!助けてください!ボクのキャリアに、強制シャットダウンのカウントダウンが始まりました!

マスター

マジさん、穏やかではありませんね。どうされましたか?

マジくん

会社の定例会議の議事録を僕が優秀なので任されてるんですけど、作るのに2時間もかかってしまって本来の仕事が進みません!

マスター

なるほど。かなり時間がかかっているのですね。

マジくん

しかも時間をかけて完成した議事録は、誰にも読まれることなく通知の海に沈み、次の会議では、我々は何を話したのか?から始まる哲学問答。

マジくん

もう限界です!

マスター

それは大変ですね。ちなみにAIは活用されていますか?

マジくん

もちろんです!ChatGPTに「議事録を作成して!」とシンプルで洗練された指示を出しています!

マジくん

ただ、使わないよりマシですが、絶妙にイマイチな箇所の微修正を始めると、気づけば全文解読不能になり詰んでしまいます。

マスター

状況は理解しました。よろしければ、いつものように私のラボで詳しくお話を聞かせていただけますか?

マジくん

ぜひお願いします!

何のための議事録?

マスター

状況を整理しましょう。

マスター

定例会議の議事録作成に2時間もかかっている。時間をかけても議事録は活用されず、AIを使っても上手くいかない。

マスター

こういうことでよろしいですね?

マジくん

はい!

マジくん

まぁこの程度の逆境、僕のポテンシャルを解放する起動スイッチに過ぎませんけどね。

マジくん

で、どうすればいいんですか?

マスター

では、単刀直入に、マジさん、議事録は会議後1分で共有してください

マジくん

い、1分ですって!?

マジくん

マスター、ボケて時間感覚を失ってしまったのですか!

マジくん

どんなに妥協して作っても30分はかかります!

マスター

それは、議事録を「完璧な記録」と捉え、作ること自体が目的化しているからです。

マジくん

な、議事録はどう考えても記録ですよ!

マスター

私が言いたいのは、議事録の役割が、会議の最も重要な価値である「決定事項」と「アクションプラン」をテキストで残し参加者全員の認識をズレなくそろえることだということです。

マジくん

認識をそろえることが議事録の役割?

マスター

はい。そしてAIを使えば、それを会議後の1分で実現できます。

マジくん

嘘だ!AIの出した凡庸な文章を、僕が2時間かけて珠玉の言葉に磨き上げているんです!

マジくん

その聖なる作業が1分で終わるはずがない!

マスター

良い指摘です。

マスター

AIは高い精度で議事録を作成してくれるものの、たしかに完璧ではありません

マスター

ですが、修正はせず、AIの出力をそのまま共有してください

マジくん

間違った情報を共有しろというのですか?

マスター

修正作業を一人で抱え込まず、会議の場で参加者全員で行うのです。

マジくん

なんと非効率な!みんなの貴重な時間を奪うなんて!

マスター

一見そう思えますが、逆です。

マスター

会議の価値は、参加者の記憶が新鮮なうちに最大化されます

マスター

会議直後なら、全員が話したことを覚えているので、認識のズレはすぐに修正できます。

マジくん

1時間後でも会議の内容ぐらい覚えていますよ!

マスター

そうでしょうか?1時間後では皆それぞれの仕事に没頭して、議事録は読まれない通知と化します。

マジくん

ギクッ!(今そうなってるかも…)

マスター

後からズレが発覚すれば、その手戻りのコストは計り知れません

マスター

その場の全員での認識のすり合わせは、未来の数時間、いえ、数日間の無駄を防ぐ効率的な投資です。

マジくん

う、そういえば以前会議で決定したことを担当者が勘違いして、プロジェクトが大炎上したことがありました。

マスター

仕事が遅くなる原因の9割は「やり直し」であると思ってください。「やり直し」は「認識のズレ」から生まれます。

マジくん

そこまで言いますか!

マスター

ええ。例えば、従業員10万人の企業400社を対象とした調査では、従業員間のコミュニケーション不足によって、1社あたり年間平均6240万ドルの損失が発生したと報告されています。

マジくん

コミュニケーションの問題だけでですか?

マジくん

でも、そもそも議事録じゃなくて口頭で何度も確認したらいいじゃないですか。

マスター

口頭伝達も危険です。ハーバード大学の心理学者たちが行った、いわゆる伝言ゲームの実験があります。

マスター

ある絵の内容を最初の人が口頭で説明し、それを次々に伝えていくシンプルな実験。

マスター

わずか5〜6回の伝言を経ただけで、細かい情報の約70%が失われてしまったのです。

マジくん

伝言ゲームはたしかに上手くいかないイメージですが、その裏付けがあったなんて。

マスター

ちなみに、伝言の過程で起きる内容の変化には、その人の思い込みの影響も観察されました。

マジくん

思い込みが情報を歪める、間違った情報が伝わる、そしてやり直しが起きるってことですね。

マスター

その通りです。

マジくん

分かりましたよ。ボクの考えが浅はかでした。

マジくん

では、議事録を1分で作る方法を教えてください!

実践編:スマホと無料AIで実現する「1分議事録」作成

マスター

では、私が様々なやり方を比較検証してたどり着いた、議事録作成術をお見せします。

マスター

まず使うAIツールですが、特別なものは必要ありません。

マスター

スマートフォンに標準で入っている録音機能と、Googleが提供するGoogle AI Studio。この2つだけです

マスター

Google AI Studioとは、Googleが提供する高性能な生成AIプラットフォームで、なんと無料で使えます

マスター

これに音声データを読み込ませて、議事録を生成させるのです。

マジくん

無料で!それは素晴らしい!

マスター

では、具体的な流れを説明します。

マスター

ステップは3つです。ステップ1、スマホで会議を録音するステップ2、Google AI Studioで議事録を出力するステップ3、全員で議事録を確認・完成させる

マスター

非常にシンプルです。

マスター

では、実際にやってみましょう。まずステップ1、会議の録音です。

マスター

オフライン会議なら、テーブルの中央にスマホを置くだけ。

マスター

オンラインで参加する人もいるなら、パソコンのスピーカーから音声を出し、それをスマホで録音します。

マスター

特別な機材は不要です。

マスター

最も手軽な方法で会議を音声データとして記録してください。

マスター

今回は、すでにある録音データを使ってみましょう。

マジくん

でしたらマスター!僕が今日録音した会議のデータがあります!

マジくん

議事録を作るときに聞き返せるようにこっそり録音しているんです!

マスター

次からは許可をとって録音してください。

マスター

では、ここからが本番。ステップ2、「Google AI Studioで議事録を出力」です。

マスター

ここではAIに渡す指示、プロンプトを使います。

マジくん

ありがとうございます!

マスター

会議が終わったらその場で、録音した音声データをGoogle AI Studioにアップロードします。

マスター

まず、WebページからGoogle AI Studio(リンクはこちら)を開いてください。この画面が表示されるので、画面左側にある「Chat」を選択します

マスター

次に、画面右側に記載のモデル名が「Gemini 2.5 Pro」になっていることを確認し、チャット欄に音声ファイルをアップロードします。

マスター

ここで使うのが、この「決定事項・ToDo抽出プロンプト」です。 (Google AI Studioはこちら)

議事録作成プロンプト

会議の内容から「決定事項とその背景」と「アクションプラン」を抽出し、参加者全員の認識を揃えるための議事録を作成するプロンプトです。(精度は落ちますがChatGPTでも利用可能です)

マジくん

このプロンプトで議事録が?

マスター

ええ、このプロンプトを使うと、会議の内容から「決定事項とその背景」とToDoすなわち「アクションプラン」を抽出してくれます。

マスター

会議の最も重要な価値であるアクションプランは、誰が何をするのかが一目でわかるよう、担当者と期限付きの表にまとめる設計にしました。

マジくん

会議の重要な部分を抜き出して、分かりやすくまとめてくれるんですね!

マスター

その通りです。使う際は、プロンプトの参加者情報の部分にこのように会議の参加者を入力してください。

マスター

誰が何をするのかをAIが識別しやすくなります。

マスター

さて、議事録が生成されました。かかった時間は40秒ですね。

マジくん

すごい!いつの間に議事録が!

マスター

出力された議事録には、決まったこととその背景、アクションプランが記載されています。

マスター

アクションプランは、このように誰がいつまでにやるのかが明確になっていますね。

マスター

ちなみに会議中に期限が話されなかったアクションプランは、実施漏れを防ぐため、自動で「本日18:00まで」と記載されるようにしています。

マジくん

必ず期限を入れてくれるのは地味に助かります!

マスター

そして最後のステップ3、この議事録を共有します。

マジくん

何も修正せずにそのまま共有するんでしたね。

マスター

ええ。会議終了後、その場でこのAIが生成した議事録をプロジェクターや画面共有で映し出すのが良いでしょう。

マジくん

共通の注目物にすると。

マスター

はい。そして内容の間違いや補足すべき事項を追記・修正します。その場でAIに指示するか、手動で修正します。

マスター

AIに修正させるなら、例えばタスクの担当者が間違っている場合、出力結果の下にあるチャット欄に、「2つ目のタスクの担当者は〇〇さんです」など、テキストもしくは音声入力で指示を出します。

マスター

先ほどの指示を入れると、このように2つ目のタスクの担当者が修正されました。

マジくん

まさにAIが議事録作成の全てを代行してくれる感じですね!

マスター

手動で修正するなら、他人と共同編集できるツール、例えばGoogleドキュメントや、私がよく使うのは、チャットツールSlackの「canvas」機能がオススメです。

マスター

Google AI Studioのチャット右上にあるこちらのボタンから議事録のテキストをコピーし貼り付け、参加者に共有すれば、参加者同士で「ここ修正します」と話しつつ修正できます。

マジくん

なるほど!全員で修正した方が早そうです。

マスター

ええ。Google AI Studioは音声認識の精度が非常に高いので、そもそも大きな修正はほとんど発生しません

マスター

全員の手修正ですぐに終わるでしょう。

マスター

完成した議事録に全員の合意が取れたら、そこで会議は解散です。

マスター

これで議事録作成のための持ち帰り作業はゼロ、全員が同じ認識を持ってすぐさま次のアクションに進めるのです。

マジくん

持ち帰りゼロ!ボクの議事録タスクも無くなりますね!

マスター

では議事録の精度を上げるコツを2つお伝えしておきます。1つは音源の品質を上げる、つまりマイク性能や録音環境に気を遣うこと。

マスター

マイクはスマホで十分ですが、当然、周りが静かな場所で音声を録音する方が作成される議事録の精度も高いです。

マジくん

会社の会議室なら大丈夫そうですね

マスター

2つ目は会議のはじめに、参加者全員が自分の名前を発言しておくこと。AIの話者識別の精度向上に役立ちます。

マスター

例えば、会議の最初に『今日の参加者は鈴木さん、佐藤さん、田中さん』と言ったように、それぞれが自分の名前を言っておくのが良いでしょう。

マジくん

AIが誰の発言か識別しやすくなる、ってことですね!

マスター

あとは、『いつまでにやるのか』期日を明確にすることも重要です。期日が曖昧な仕事も認識のズレにつながりますから。

マジくん

わかりました!明日の会議から早速実践してみます!

なぜGoogle AI Studioなのか?AIツール比較と使い分けの極意

マジくん

ちなみにですがマスター、今回なぜGoogle AI Studioを使ったのでしょうか?他にも議事録作成ツールはありますよね?

マスター

今回のAI活用法を選んだ理由は3つあります。

マスター

圧倒的な速度完全無料であること話者識別ができることです。

マスター

議事録の作成で重要なことは、会議後すぐにその場で認識を合わせることでしたね。

マスター

そのためには、Google AI Studioのように30分から40分程度の会議の録音データを1分以内に処理できる速度が不可欠です。

マジくん

他のツールはもっと時間がかかると?

マスター

ええ。精度の高い議事録を作れる他の主要なツールでは、5分以上はかかってしまいます

マスター

それでは、会議後の即時共有ができず、結局、持ち帰り作業が発生してしまいます。

マジくん

それでは、また議事録が通知の海に沈んでしまいますね。

マスター

ただし、Google AI Studioにもデメリットはあります。

マスター

例えば、毎回打つプロンプトをテンプレートとして保存できないことや、送ったデータがGoogleのAI学習に使われてしまうため、機密性の高い会議には向かない可能性があることWeb会議と直接連携できないことなどです。

マジくん

では、そういう場合はどうすれば?

マスター

その場合は、代替候補となるツールを検討する価値があります。例えば、PLAUDというサービス。

マスター

これはプロンプトをテンプレートとして保存できますし、WindowsパソコンならパソコンアプリでWeb会議の録音から議事録作成までを自動化できます。

マジくん

それは便利そうですね!

マスター

また、組織全体でExcelやWordなどが使えるMicrosoft365を導入しているなら、そのツールの1つTeamsが最も強力な選択肢になります。

マスター

声紋を事前に登録することで、高い話者識別精度を実現しているのが特徴です。

マジくん

声紋登録!自分の声を登録できるのはいいですね。

マスター

社内のチャットツールにSlackを使っている場合は、ハドルというミーティング機能で、簡単な議事録の自動生成が可能です。

マジくん

なるほど、組織の環境にもよるんですね。

マスター

その通りです。他にも、Nottaなど有名なツールはありますが、

マスター

議事録作成の遅さやテンプレート機能の使いにくさの観点から、今回はGoogle AI Studioを、そしてその次の選択肢としてPLAUDやTeamsをおすすめします。

まとめ

マスター

今日の一番のポイントは、議事録の目的は完璧な記録ではなく、チームの認識を合わせることであり、そのためにAIの速度を最大限に活用することでした。

マスター

スマホの録音とGoogle AI Studioを使うのがおすすめです。コツは静かな場所と最初の自己紹介でしたね。

マスター

マジさん、これで大丈夫そうですか?

マジくん

すみません…なんか涙が出てきちゃって…

マジくん

いつも時間をかけて議事録を作ってもスルーされて、リマインドしても無視された時は、「ボク、いらないんじゃないかな」って思って悲しくて…

マジくん

うぅ…みんな忙しいからどうしていいか分からなくて…

マジくん

でも、これからは会議後にすぐに認識を揃えます。ボクが非効率な会議をなくすんです。マスター、見ていてください!マスターの教えを無駄にはしません!

マスター

マジさんの成長が楽しみですね。

まとめ

議事録の本当の目的は「認識を揃える」こと

  • 議事録作成に2時間かけても読まれない理由は作成タイミングの問題
  • 会議後1分で共有し参加者全員で修正することが重要
  • 認識のズレが生む「やり直し」が仕事を遅くする最大の原因

スマホとGoogle AI Studioで実現する40秒議事録

  • スマホで録音しGoogle AI Studioに音声をアップロードするだけ
  • 決定事項とアクションプランを自動抽出するプロンプトを使用
  • 完全無料で30-40分の会議を1分以内に議事録化

組織に合わせたツール選択のポイント

  • Google AI Studioは速度と無料が魅力だが機密性に注意
  • PLAUDはテンプレート保存とWeb会議連携が可能
  • Microsoft365利用企業はTeamsの声紋登録機能が強力
参考文献

※以下は記事公開時点(2025-09-08)の情報です。

【完全無料】今日からやるべき"40秒"議事録作成 - 本気AI