
マ、マスター!実は韓国に詳しかったりしますか!?

急にどうされたのですか、マジさん

韓国なら何回か行ったことがありますが

よかった…聞いてください

先日、韓国ドラマ「梨泰院(イテウォン)クラス」を見ました


この僕も認める最高にイカした男、パク・セロイが逆境を跳ねのけ、ビジネスで成功を掴む話なんですが


それを見て「行動力こそデキる男の証」と、来週末の韓国旅行を決断したのです

なのに、一向に計画が進みません…!

なるほど、韓国旅行に行きたいのですね

計画が進まない、というのは具体的にどういう状況ですか?

状況は最悪です!行きたい場所リストは増える一方

梨泰院クラスのロケ地、韓国グルメ、ソウルの伝統市場…!


ボクの頭脳をもってしても、この情報量は処理しきれません!

行きたい場所が多すぎてまとまらないと

はい!AIも使ってみましたよ

『ボクをパク・セロイとして再定義する旅程を組め』というこれ以上ないほど的確な指示を与えたのに

AIは観光地の羅列しかできませんでした


ボクの情熱を理解するにはまだ100年早いようです

ふむ、AIの提案ではご自身のやりたいことができず、納得感がないようですね

まさにそうなんです!このままでは、ただの凡庸な観光客で終わってしまう…!

ボクは、歴史に名を刻むトラベラーになるはずだったのに!

状況は理解しました

よろしければ、私のラボで話を聞かせていただけますか?

え!いいんですか!?ぜひお願いします!
旅行計画が進まない理由

改めて状況を整理しましょう

マジさんは『梨泰院クラス』に影響されて来週末の韓国旅行を決めた、しかし、「行きたい場所リスト」が増える一方で計画が立てられず、AIに頼んでも納得のいく提案が得られない


こういうことでよろしいですね?

その通りです!早速、奇跡の旅行プランが自動生成されるプロンプトを教えてください!

マジさんの旅行計画が進まないのは、その「行きたい場所リスト」のせいです

リストのせい?ご自身が何を言っているか分からなくなってしまわれましたか?

旅行計画とは行きたい場所をリストアップするところから始まるものですよ

いえ、問題はリストそのものではなく、その「作り方」です

マジさんのリストは、ただの願望の寄せ集めになっていませんか?

旅行計画とはそういうものでしょう!

願望を全て達成することは不可能です

旅行に限らず、やりたいことリストを羅列するだけの計画は失敗に終わります


な、では計画とはいったい何をするのです?AIに指示するためのプロンプト作りですか?

プロンプト以上に便利で、そしてこの先もずっと使える、本質的な計画の立て方をお伝えしましょう

計画において重要なのは、『Must(絶対やりたい)』、『Better(なるべくやりたい)』、『Want(あったら嬉しい)』の3つに優先度を整理したリストです


小難しい話で僕を煙に巻こうとしないでください!

小難しく聞こえるかもしれませんが、この整理こそ、計画づくりを楽に成功させる重要な鍵なのです


そして、この作業をAIを使って行います

ほう、AIを?

はい。具体的には3つの手順を踏みます


1つ目はAIによる選択肢の『網羅』

2つ目はAIとの対話による優先度整理の『叩き』作成

そして3つ目は、AIによる実現可能性のチェックを通じた『削る』作業です

ただでさえ情報が多すぎて困っているのに、これ以上選択肢を増やしてどうするんですか!?

その懸念はもっともです

ただここでの『網羅』とは、『王道』、つまり多くの人が選ぶ定番の選択肢を確実に押さえることです


いちいちそんなことする必要があるとは思えません。

王道を押さえておけば、「こんな有名な場所があったなんて」という後からの手戻りや後悔を防ぐことができます

たしかに、後から行きたい有名どころを知って計画を修正し直すのは骨が折れますけど。

次に、網羅した選択肢を参考に、『Must』『Better』『Want』の叩き台を作ります

そして、実現可能性をチェックしながらそれを整理するのです

そんな簡単じゃないですよ!実際に今『あれもしたい、これもしたい』となって困っているのです!

全部『Must』です!

そこから抜け出すためにAIを使います

最初から完璧な優先順位を決める必要はありません

AIを『壁打ち相手』にして質問に答えていくだけで、AIがあなたの本当の優先順位を整理してくれます


もう分かりましたよ、マスター

薄々感じていましたが、そもそもこんな面倒な計画なんて立てず、行き当たりばったり旅のほうがいいじゃないですか?

良い視点ですね。しかし、その『行き当たりばったりの旅』も実は優先順位付けの結果なのです

『予期せぬ出来事を楽しむこと』を旅の『Must(絶対やりたい)』に設定していると考えることができます

ですが、今のマジさんには具体的な『Must』がいくつもある

その状態で偶然を優先してしまうと、結局一番やりたかったことができずに後悔する可能性が高いでしょう


うっ…たしかにそれはあり得ますね…

だからこそ、まずは『Must』『Better』『Want』の整理が大切なのです


なるほど。それで、その整理とやらをAIがどうやって手伝ってくれるんですか?早く見せてください!
AIとの対話で旅行計画を創り上げる

私がさまざまなやり方を検証した上でオススメする、AIを使った旅行計画術をお見せします

今回使うAIツールはChatGPTだけです。全て無料でできます。


完全無料はありがたいです!

具体的な進め方を3つのステップでお見せします


ステップ1はAIとの対話で『Must』『Better』『Want』を明確に整理する旅の土台づくり

ステップ2で具体的なスケジュールに落とし込み

最後にステップ3で予約や準備を進めます

ちなみに、使用するプロンプトは全て、今後もすぐに使える状態でお渡ししますので、覚える必要はありません。

それは助かります!

では、ステップ1の旅の土台づくりから始めましょう


このステップ1の中では、先ほどお話しした『網羅』『叩き』『削る』の3つの手順を順番に進めていきます


つまり、大きな3ステップの1つ目の中に、さらに3つの手順があるということです

やることが多くてややこしいですね

一つずつ丁寧に解説するので安心してください。今は、ざっくりと進め方が分かっていれば問題ありません。

では、最初の手順『網羅』から


旅行先の王道の選択肢を確実に押さえるために、私が作成したこの『旅の鉄板洗い出しプロンプト』を使いましょう。

このプロンプトは、AIにWeb上の口コミや旅行ガイドを徹底的にリサーチさせ、多くの旅行者にとって『鉄板』の選択肢を洗い出すよう指示しています。
旅の鉄板洗い出しプロンプト
旅行先の王道を網羅的にリサーチし、多くの旅行者が選ぶ『鉄板』スポットを洗い出すプロンプトです。

各選択肢の魅力やWebサイトのリンクも付けてもらうことで、後の判断をしやすくしています。

プロンプトの『旅行先』の部分をご自身の行きたい場所に書き換えるだけで、どんな旅行先にも応用できる設計にしました。


実際にプロンプトを入力すると、このようにエリアやジャンルごとに分かれた鉄板の選択肢が表示されますね。


おお!ソウルの観光スポットから釜山のグルメまで

まずはこのリストをじっくり眺めて、リンク先のサイトなども見ながら純粋に『面白そう』と感じるものを探してみてください

リンク先のサイトも見ると、どのような場所なのかビジュアルでイメージしやすくなるでしょう


わかりました!

ほうほう。この『SEOUL SKY』気になりますね。リンク先に飛んでみます!


おおすごい、素晴らしい景観!この目で見てみたいです

このカンジャンケジャンも見てみます。


これは確実に美味いですね…


マスター、一通り見ました!

気になる場所が多すぎて大混乱してますが、大丈夫でしょうか?

問題ありません。次にその溢れる『やりたいこと』を整理するため、優先度の『叩き』作成に移りましょう


ここからは音声対話を使うのがオススメです

音声対話の方がよりスムーズに、自分の願望をAIに伝えられますから

このように先ほどAIがリストアップした観光地のWebサイトを眺めながら、ChatGPTと壁打ちができます


チャット画面を開いて質問を入力しなくても、気になったことを話しかけるだけで良いのです。

画面そのままで、すぐAIに質問できるのはいいですね!

ただ、一つ注意点があります

音声対話中は、ChatGPTの他のチャット画面を開けないので、ChatGPTのアプリで音声対話をしつつ、ブラウザ版のChatGPTを開いて、先ほどの鉄板リストを見るようにしてください


ちなみに、ChatGPTの音声対話はバックグラウンド実行が可能、つまり画面上にアプリが表示されていなくても水面下で動作してくれるので、スマホでも同じようにWebサイトを見ながらChatGPTと会話ができます。


バックグラウンド実行!地味に便利ですね!

では実際に、優先度の『叩き』を作成していきましょう。先ほどと同じチャットで、次はこの『Must/Better/Want分類プロンプト』を使います。

このプロンプトは、ユーザーとの対話で、日程や予算といった旅の制約条件と、行きたい場所などの願望を聞き出し、『Must、Better、Want』に優先度づけするよう設計しました。

対話を始めると、AIが主体的に質問を投げかけ、ヒアリングした内容を次々とMust、Better、Wantに分類していきます。
Must/Better/Want分類プロンプト
対話で旅の制約条件と願望を聞き出し、『Must/Better/Want』に優先度づけするプロンプトです。

プロンプトを入力するとこのように出力されます


パスポートや事前にやるべき手続きなど、忘れがちな制約条件の可能性も指摘してくれていますね

最後まで出力されたら、画面右下にあるこのボタンを押して、音声対話モードに切り替えましょう


ではマジさん、始めてみてください

完璧に話す必要はありません。思いつくままに話すことが重要です

わ、わかりました…もしもーし…



日程は来週末の8月30、31、9月1日の2泊3日で行こうと思ってます…



はぁ…すごかったです!

AIに色々質問されているうちに、自分の頭の中が整理されていきました!

梨泰院クラスのロケ地巡りが最優先なら、済州島は諦める必要がありますね、なんて指摘までしてくれて…

AIとの対話が終わったら、対話で整理された『Must、Better、 Want』のリストをまとめてもらい、3つ目の『削る』手順に進みます。


ここで私の作成した『計画の実現可能性チェックプロンプト』を使ってください。

このプロンプトでは、AIに冷静な旅行プランナーの役割を与え、リストアップした『Must』の項目が実現可能かチェックさせます。

予算や移動時間といった制約の中で本当に無理なく実現可能か、客観的な視点でチェックし、計画が『絵に描いた餅』になるのを防ぎます。
計画の実現可能性チェックプロンプト
『Must』項目が制約条件下で実現可能か客観的にチェックし、計画の実現性を高めるプロンプトです。

プロンプトを入力すると、このように予算や移動時間の観点から、実現可能なスケジュールかどうかをチェックした結果を表示してくれます


今回はどうやら予算オーバーのようですね

うっ、的確な指摘…!たしかに、予算オーバーです

では、どうされますか?

えっと、金欠なので予算は変えられません。AIが提案してくれているように、羽田発は諦めて成田発にします!

良いと思います。このようにAIの客観的なフィードバックを元に『削る』ことで、計画の実現性を高められます


はい!これならいけそうです!

これで旅の核が決まりましたね

ちなみに必須ではありませんが、整理した優先度をひと言でまとめて、旅全体を貫く『コンセプト』を決めておくのもオススメです


例えば、『歴史と美食を巡る大人のソウル旅』のような旅のキャッチコピーです

これがあると、判断に迷った時の道しるべになりますし、もし複数人での旅行であれば、何を大事にする旅なのかを簡単に共有できます

なるほど!大事にしたいことを分かりやすくまとめるわけですね

ええ。コンセプトを決める際は、ぜひこの『旅行コンセプト提案プロンプト』を使ってください。

このプロンプトで、AIに先ほど整理した優先度リストをまとめた、旅全体を貫くキャッチーなコンセプトを3案提案してもらうことができます。
旅行コンセプト提案プロンプト
優先度リストから旅全体を貫くキャッチーなコンセプトを3案提案するプロンプトです。

プロンプトを入力すると、このように今回の旅のコンセプトを3案提案してくれました


おお!どれもいいですね!『ドラマの舞台で味わう"食と夜景の首都ソウル"』これです!ボクの旅はこれです!

決まりましたね

ここまでくれば、旅行計画の8割は終わったようなものです

あとは詳細を詰めていきましょう

え、もう8割もですか?!

ええ。あとは決まった『Must』『Better』『Want』を実際のスケジュールに落とし込んでいく作業です

ステップ2のスケジュールの具体化に進みます

まず『ざっくりスケジュール』を決め、次に拠点となる『ホテル』を確定し、最後に『詳細なタイムスケジュール』を詰めていくという順で進めるとスムーズです

ホテル決めは重要ですね!

ええ、ホテルは早めに決めるのが良いでしょう。

ここからは、計画をAIに主導して進めてもらうために、この『旅行プランニング進行プロンプト』を使うのがオススメです。

このプロンプトは、AIに旅行計画のファシリテーターの役割を持たせ、『ざっくりスケジュール案の提案』『ホテルの選定』『詳細な旅程作成』の順に具体的な旅行スケジュールを作成するよう設計しています。

AIが段取り良く進めてくれるんですね。

ええ。では実際にプロンプトを実行してみます。
旅行プランニング進行プロンプト
AIをファシリテーターにして、スケジュール案・ホテル・詳細旅程を順に作成するプロンプトです。

このように3つのスケジュール案が出てきました


この中だと案1が良さそうですが、ちょっと変えたいです

変えたい内容をAIに伝えれば、柔軟に組み直してくれますよ。マジさんの願望を伝えてみてください

ちなみに、このプロンプトの出力から、ChatGPTのcanvasという機能を使っています


canvasは、AIが出力した結果を直接編集できるようにする機能です

直接編集ができると、決定事項を分かりやすくしたり、スケジュールを微調整したりできますから


そんな機能があるんですね!知りませんでした!

直接編集する前に、まず『案1をベースに、グルメは外さずに行きたい』とAIにお願いしてみます!

マジさんがやったように、スケジュールの微調整をお願いすると、このような結果になりました


ふむ…ばっちりですね!きちんとグルメが充実したスケジュールになっています!この内容で確定します!

では、次はAIにホテル選びを手伝ってもらいましょう


先ほどの出力を元にホテルを決めていきます

うわー、どれも良さそう…!3番の空港リムジンは魅力的ですが、メインで行きたい場所から遠そうかな…ちなみに他に候補はありますか?



いいですね。そのようにどんどんAIと対話を重ねていってください

マスター、AIと相談した結果、最初の提案にあった『A-1』に決めました!予算と場所がピッタリです!


ご自身の判断軸で決められた良い選択だと思います

では、いよいよ最後の仕上げです。詳細なタイムスケジュールを詰めていきますが、余白の時間がなくならないように注意してください


なぜです?旅行を最大限楽しみたかったら予定を詰めるべきでしょう

計画を詰め込みすぎると、予期せぬトラブルや、ふと見つけた素敵なお店に入る余裕がなくなってしまいますからね

では、AIとの対話を続けましょう

AIが初日の夜ご飯をどうするか聞いてきました。初日の夜ご飯はスンドゥブ一択!時間がきついなら朝早くから行きます!




お疲れ様でした。これで全てのスケジュールが埋まりましたね

最終版を出力してもらいましょう


うわおお!時間まで入った完璧なスケジュールが…!しかもちゃんと『余白の時間』まで入っている!これなら、パク・セロイを超える旅行が実現できます!

そして最後のステップ3、予約・準備です


完成したスケジュールを元にAIに、予約・手配が必要なタスクを洗い出してもらいます。

この『旅のToDoリスト作成プロンプト』を使ってください。完成した旅程に必要な予約や手配を、関連サイトのURL付きチェックリストとして出力するよう設計しています。
旅のToDoリスト作成プロンプト
旅程に必要な予約・手配をURL付きチェックリストで出力するプロンプトです。

プロンプトを入力するとこのように、どんなタスクをやるべきかと、そのタスクを行うためのWebサイトのURLまで出してくれます


これなら抜け漏れなく準備できそうです!
旅行アシスタントになるAI

ちなみにですが、マスター!ここまで計画できたなら、いっそ予約もAIにやってもらえないのでしょうか?

旅行に特化したAIなどはないのですか?

良い着眼点ですね

結論から言うと、部分的ならできないことはないですが、現時点では人間がやってしまう方が確実で手っ取り早いです


専門ツールや予約を自動化するAIエージェントと呼ばれるツールは、まだ発展途上で、動作が遅かったり、結局人間の細かい作業が必要だったりします

なるほど…。予約はまだ丸っとAIに任せられない、と。だからChatGPTで計画を練って、最後は自分で予約手配するのが最適解なんですね
最高の旅は計画から始まっている

今日のポイントは、旅行計画が進まない原因が、判断軸のない『行きたい場所リスト』そのものにあったということ

そして、AIとの対話を通じて、ご自身の願望を『Must』『Better』『Want』に整理することで、納得のいく計画の土台が作れるということでしたね


正直、最初は『リストの作り方が悪い』って言われてカチンときました

でも、マスターの話を聞いてわかったんです。『Must』『Better』『Want』に整理するっていうのは、そもそも自分が本当に何をしたいのかを見つけるためだったんだって

素晴らしい気づきですね、マジさん

自分が本当に何をしたいのかを分からないままでは、AIを使っても納得できる旅行計画は立てられませんから

その調子ならきっと素晴らしい旅行になるでしょう

あの、ちなみにマスター!お時間あれば、そのぉ…一緒に韓国とか興味ないですか??

うーん、韓国ですか。マジさんと行くのは面白いかもしれませんね