
AIニュースの時間です。今回は、今大きな話題を呼んでいるGoogle開発の画像生成AI、『Nano Banana』をご紹介します。


ナノバナナ…?何ですか、その最先端スイーツみたいなAIは!

このNano Bananaを使えば、今までデザイナーでない人には難しかった画像の編集が簡単にできます。


例えば、複数の画像を合成して新しい1枚の画像を作ったり、



画像のなかでちょっと気になる一部だけを変えたりといったことが誰でも一瞬でできるようになりました。



え!こんな簡単に画像が編集できるなんて!

日本語で指示するだけで、画像の細かい部分も正確に修正してくれます。


この細かい部分も修正できるというのが、Nano Bananaのすごいところです。

これまでの画像生成AIでは、画像に修正を加えようとすると、パソコン以外を消そうとしたこの画像のように、元の画像から大きく変わってしまったり、


机の上のものを消そうとした際に机の柄が変わってしまうなど、余計な部分まで修正してしまうことがありました。


しかし、Nano BananaはこれまでAIが苦手としてきた元の画像の構図を保ったまま部分的に編集するという弱点を克服したのです。


まるで太陽を克服した鬼…すみません、鬼滅の刃を連想してしまいました。

今回は、このNano Bananaのすぐできるオススメの使い方を、注意点も含めて徹底解説します。

紹介する使い方で、自分のイメージ通りに画像を変えられる便利さを体感してください。
Nano bananaの実力

まずは詳しい解説より、実際にNano Bananaを使った画像編集を見ていただくのが良いでしょう。

Nano Bananaが活用できる例として、AI生成画像を資料に使いたいけど、ちょっと気になる部分がある場面を想定してみます。


たしかにAI生成の画像って、ここちょっと変えたいと思うこと多いです。

ええ、では、AIで生成したこの画像をNano Bananaで編集してみましょう。


手前の人の服を赤色にして、奥に写っている人物を消したいとします。



Nano Bananaを簡単に使う方法は2つで、GoogleのAI『Gemini』のアプリで画像を編集するか、同じくGoogleの提供するサービス『Google AI Studio』上でNano Bananaを選択します。


今回は、使うAIモデルを明確に選べる、Google AI Studioで編集してみましょう。

Google AI Studioって何でしたっけ?

Googleの最新のAIモデルを自由に選択して、無料で試せるサービスです。


では、早速Nano Bananaを使って先ほどの画像を修正してみましょう。

まず、Google AI Studioのトップページを開き、画面右側のモデル選択から『Gemini 2.5 Flash Image』通称『Nano Banana』を選択します。


そして画面中央にあるチャットに、編集したい画像を添付します。


本来はもっと丁寧な指示を入れますが、今回は雑に『手前の人の服の色を赤色にして、奥に写っている人物を消してください』とテキストで指示します。


送信してからしばらく待つと、元は青色の服で後ろに人が写っていた画像を、指示通りに手前の人の服の色を赤色に編集できましたね。

奥に写っている人も消えています。


おお!なんと鮮やかな手際!

これまでの画像生成AIでは、いまNano Bananaを使って行った『指示した内容だけを変える』ことができませんでした。


画像の修正した箇所以外も大きく変わってしまうというのが難点だったのです。

Nano Bananaのすごさを理解してもらうために、他の有名な画像生成AI『ChatGPT』『Whisk』『Midjourney』で同じ指示を出した場合と比較してみましょう。


まずはChatGPT。先ほどと同じ画像を入れて同じ指示を出してみます。

出力させてみた結果がこちらです。


手前の人ではなく、後ろの人の服の色が変わってしまってますね。人物を消すという指示も伝わってません。

次にNano Bananaとは別のGoogleの画像生成AIモデルが使われているWhiskで編集した結果を見てみましょう。

こちらにも同じ画像を入れて同じ指示を出してみます。

すると、このようになりました。


元の画像からだいぶ変わってしまってます。

最後は特にアートな画像の生成が得意なことで有名なMidjourneyです。

アート…なんかすごそうですね!これは期待できます!

Midjourneyで同じ指示を出した場合の結果はこちらです。


えー!全然ダメじゃないですか!期待はずれです!Nano Bananaが圧倒的ではありませんか!

もちろんNano Bananaも完璧ではなく、特に複雑な指示では失敗することもあります。

ですが、編集の正確さにおいて、他のAIの追随を許さない性能です。


これはもう、他のAIと比較するのもやめてほしいくらいですね。

画像の編集においては、完璧に見えるNano Bananaですが、1つ注意点にも触れておきます。

Nano Bananaで生成した画像には、『ウォーターマーク』と呼ばれるAIが作ったことを示す『透かし』が入ります。


なぜそんなものが入るのですか?正直邪魔です。

AI生成であることを判別できるようにし、偽情報の拡散を防ぐためです。

透かしはいらないので消したいです。

有料のサービスを使えば消せます。

例えば、Nano Bananaをはじめ、様々な画像生成AIのモデルが使える『freepik』といった他の有料サービスでの利用で、透かしなしの画像を生成することができます。


見た目に透かしのない画像は、有料サービスを使わないと作れないんですね。

ちなみにウォーターマークが入るといっても、Nano Bananaで作った画像の商用利用は認められています。

トリミングなどで意図的に消して利用すると、規約違反になるのでそこだけは注意してくださいね。
Nano bananaの便利な使い方色々

ここからは、たくさんあるNano Bananaの使い方から、皆さんの日常や仕事で使える便利な使い方や面白い使い方をいくつか紹介していきます。

待ってました!

まずは、ヘアカットや服選びの参考として使う場合です。


新しい髪型に挑戦してみたい時や、ネットショッピングで試着できない時などに役立ちます。

例えば、モデルにしたい画像をこのチャット欄に渡して、こちらの写真の女性の髪の色を『鮮やかな赤色に変えて』と指示してみましょう。


指示をしてからしばらく待つと、黒色だった女性の髪が、このように自然に髪色だけが変わりました。


美容院に行く前に、自分に似合うか試せます。

おお!これならイメチェンのシミュレーションも簡単ですね!

気になる服の画像と自分の写真をNano Bananaに渡して、『画像1枚目の服を画像2枚目の服に変えて』とお願いしてみます。


しばらく待つと、青のワンピースを着ていた女性が、このような服装に変更できました。


すごい…。本当に服を着て撮った写真みたいです!

マジさん、今度はご自身の写真で試してみませんか?

いいんですか!じゃあ早速、ボクの写真で試してみます!

えーと、『この写真の髪を金髪にして、服をロックな革ジャンに変えて』っと…。



おお!これは楽しい!色々試したくなります!

では次に『表情の変更』です。

写真で自分だけ目をつぶってしまった…なんて経験がある人も多いでしょう。


Nano Bananaなら、例えば『目を瞑っている人の目を開いて』とチャットで指示するだけで、このように目をつぶってしまっていた顔を、目を開いた顔の写真に変えることができます。


変顔のように映ってしまった写真も、これで変えられる…!

ただし、正面を向いている写真の時など、多少顔が変わってしまうことには触れておきます。

続いて『画像の背景を変える』場合です。

例えば、急に証明写真が必要になった時、自分の画像をNano Bananaに読み込ませて、『証明写真用にこの写真の背景を白の背景に変えて』とチャット欄で指示します。


しばらく待つとこの通り、写真を撮った時の背景が、証明写真のように白無地の背景になっていますね。


すごい!無地以外に変えることもできるんですか?

ええ。例えば、この旅行先の写真、天気が曇っていてどんよりした印象になってしまっていますが、これを晴天に変えることもできます。


『添付画像の背景の天気を晴れにして』と指示して、数秒待つと曇り空だった写真が、このように晴天に変わります。


自然すぎてAI生成だと全くわからない…!

他にも『欲しいインテリアを部屋に置いてみる』ことができます。

自分の部屋の写真と、購入したい家具の画像をNano Bananaに渡して、チャット欄に『この家具を部屋に自然に配置して』とお願いしてみます。


するとこの通り、家具が部屋に配置されて、購入する前に部屋の雰囲気に合うか確認できます。


さらに、先ほど編集した画像に、追加で指示を加えると、このように『視点を変えた画像を生成することも可能です。


違う視点でも見れることで、購入後のイメージがより湧きます!なんか違うな、って写真も後から編集できちゃうじゃないですか。

少しマニアックですが、写真に写った人のポーズを変えることもできます。

先ほどのように1枚の写真と、棒人間のような簡単な図をNano Bananaに渡して、『画像1枚目の人物に画像2枚目のポーズをさせて』とチャット欄で指示してみます。


するとこのように、図で指定した通りにポーズを変えることができました。


なんか違うなって写真も後から編集できちゃうじゃないですか。

XなどのSNSでは他にも、人物を時代別に変化させたり、建物を3Dモデルに変換したりと、想像以上に様々な使い方が試されています。
でもなんで、Nano bananaだけこんな正確な編集ができるの?

でもマスター、なんでNano Bananaは他のAIと比べてこんなに正確な編集ができるんでしょう?

良い質問ですね。理由はシンプルで、『編集の正確さを重視して作られたから』です。


と言いますと?

押さえておくべきポイントは大きく2つです。

1つ目は、『画像編集の正解をたくさん学習したこと』。

Nano Bananaは、『画像編集の指示』と、その『正確な編集例』のセットを、教科書のように大量に学習しました。

2つ目は、『いじってはいけないところはいじらない』こと。

私たちが『服の色を変えて』と指示すると、まずAIが『ここが服だ』と編集すべき範囲を自動で特定します。


そしてその部分を編集するのです。

編集範囲を特定するから正確な編集ができると理解できました!
Nano bananaの難点

こんな優秀なNano Bananaにも難点はあります。

それは、日本語の文字、特に漢字の編集や生成がまだ少し苦手なことです。


文字を入れる機会って限られますけど、不意に入った文字がぐちゃぐちゃだと、修正が面倒です。

ただ実は、日本語の文字はChatGPTが精度高く生成できます。


ですので、文字の入った画像をChatGPTで生成し、その画像をNano Bananaで編集するという合わせ技は有効でしょう。


なるほど、適材適所でAIを使い分けると!

ええ。他に実際に使って分かった、知っておくべき難点とコツを2つお伝えしておきます。


1つ目は、何度も指示を重ねると失敗しやすいため、一度失敗したら新しいチャットでやり直す方が良いこと。

画像生成の指示をしても文字だけの返答をしてきたら、左上のここから新しくチャットを切り替えましょう。


2つ目は、元画像のないゼロからの画像生成は不得意なので、既存写真の加工・編集にのみ使うことです。

Nano Bananaでゼロから画像を作ると、肌に余計な光沢が出てしまうなど、AI生成っぽさが残ってしまうからです。

ゼロから生成する際に使うおすすめのAIは、また別の機会に紹介しましょう。
未来の展望:今回のニュースの本質

さて、ここまでNano Bananaの驚くべき性能と、具体的な使い方について見てきました。

Nano Bananaの凄さを目の当たりにして、今まで専門家しかできなかったことが、誰でもできるようになってきているのを実感しました…!

良い気づきですね。

Nano Bananaの登場は、単に便利な画像編集アプリが一つ増えたということではありません。

今後、これまで専門スキルや費用が必要だったクリエイティブな作業の多くが、誰でも簡単にできるようになるのです。


そう聞くと、なんだかすごい時代の入り口に立っている気がします!

ええ。例えば、SNSに投稿する写真をプロ並みに編集できたり、ネットで服を買いたい人がいたら、自分の写真でバーチャル試着できるのが当たり前になったりするでしょう。


なるほど…!そういう形で、僕たちの生活にどんどん浸透してくるわけですね。

僕ももっとNano Bananaで色々試してみます!

というわけで、今回のAIニュースは以上です。皆さんのAI活用のヒントになったら幸いです。

また次回、お会いしましょう。