これさえ押さえれば取り残されない、最先端のAIニュースを1日1つお伝えします。
マジさん。直近のChatGPTのユーザー数をご存知ですか?
えっと、1億人くらいですかね。
答えは2025年10月時点で、1週間に8億人が利用していると推定されています。
ええ、世界の10人に1人は使っているじゃないですか!
その通りです。
でも、もしかしたらChatGPTのようなAIサービスの勢いは止まってしまうかもしれません。
え、どうして?
実は完全無料で使えるオープンソース型の高性能なAIが、次々と公開されているのです。
オープンソースについては後ほど説明します。
でも、ChatGPTも無料で使えますよね?
そうですね。ですが、ChatGPTを無料で使える回数は限られていますし、GPT-5 Proモードなどの無料では使えないモードもあります。
たしかに、無料プランのときは10回ぐらいチャットしたら利用上限に達してしまってました。
さらに衝撃のニュースが飛び込んできました。
11月8日、『Kimi K2 Thinking』という中身を公開したオープンソース型の無料のAIが、一部の性能でChatGPT-5を超えたと報じられました。
GPT-5超えが完全無料?
今すぐChatGPTの課金をやめます!
焦ってはいけません。
今回の『Kimi K2 Thinking』がGPT-5超えしたという情報は、AIの性能テストの部分的な結果であり、その真偽を怪しむ声も多いです。
すみません、ちょっと深呼吸します。
今日は、中身を全公開した無料のAIが、ChatGPTのような巨額のお金を投じて作られた最先端のAIに迫っているという話をします。
実は今回のニュースを深く理解できると、私たちの毎日の生活や仕事に直結するAI時代の未来が読めるようになります。
今回も聞き逃せませんね。
GPT-5超えのAIがとるオープンソース戦略
まずは、ChatGPTを超えたと話題のAI『Kimi K2 Thinking』はどんなものなのか、見ていきましょう。
お願いします!
『Kimi K2 Thinking』は中国のMoonshot AIという企業が開発したAIです。
Moonshot AI…!
名前からして、とんでもないものを狙ってそうですね!
たしかに野心的な名前の企業ですね。
この『Kimi K2 Thinking』の特徴は、先ほども触れた中身を公開している『オープンソース』である点です。
より専門的には、オープンウェイトと呼ばれる一部非公開な部分もある形での公開ですね。
中身のコードを公開するなんて、開発した企業に何のメリットがあるんですか?
鋭い指摘ですね。
結論から言うと、メリットがあるからというより、オープンソースにするしかないという方が正確です。
無料で公開するしかないと?
ええ。考えてみてください。
今、AIの世界ではChatGPTをはじめ、GoogleのGeminiなど強者がひしめきあっています。
そんな中で、後から出てきた無名の企業が、いきなり『私たちのAIは有料です』と出しても、誰が使うでしょうか?
た、たしかに…!
よっぽどすごくないと、わざわざお金を払って試そうとはならないですね。
その通りです。
つまり彼らにとっては、まず『無料』で公開し、その性能を世界に知ってもらうことが、スタートラインに立つために必要なのです。
なるほど!まずは無料で使ってもらってファンを増やす、と。
でも、それじゃあ会社は儲からないじゃないですか!
ええ。ですから、本当の狙いはその先にあります。
無料でAIを広く使ってもらうことで、自分たちの技術が業界の『スタンダード』、つまり基準になることを目指しているのです。
スタンダード…ですか?
いまいちピンとこないですね。
では、マジさんが普段スマートフォンでメッセージを送るとき、どのアプリを使いますか?
LINEですね。みんな使ってますし。
まさに、それが『スタンダードを握る』ということです。
LINEが無料で便利なメッセージ機能を提供してくれたおかげで、今や連絡手段の基準になりましたよね。
たしかに!LINEがないと連絡が取れない人、たくさんいます。
そして、一度LINEがスタンダードになれば、スタンプやニュースといった他のサービスも自然とLINEの中で使ってもらえる。
AIもそれと同じで、一度『このAIが基準だよね』と世界中の人が使い始めたら、そのAIを基盤にした有料の専門サービスが、後から売れていくのです。
まず無料で使わせて皆が使うようになってから、追加機能や関連サービスでガッツリ儲ける、という二段構えの戦略なんですね!
Kimi K2 Thinkingはどれだけすごいの?
まさしく。
それでは、Kimi K2 Thinkingが一体どれほどの性能なのか具体的に見ていきましょう。
お願いします!
はい。まず大前提として、Kimi K2 Thinkingのオープンソースコードは、誰でも無料でダウンロードできます。
しかし、マジさんのパソコンで、明日からすぐにChatGPTのように使えるわけではないのです。
実際は企業向けと言えるでしょう。
えっ、そうなんですか!?
無料で公開されてるのに、使えないなんて!
ええ。Kimi K2 Thinkingを動かすには、AIの頭脳である『GPU』というチップが、家庭用PCの数十倍の性能を持つ、業務用のものが必要になります。
数十倍…!どのくらいすごいんですか?
性能を示す指標の一つに、一度に覚えておける情報量を表す『メモリ』があります。
もし、普通のPCのメモリが作業机くらいの広さだとしたら、Kimi K2 Thinkingを動かすのに必要なAIチップのメモリは、体育館くらいの広さが必要になります。
体育館!?
とんでもない広さですね…!
お値段もすごそうですけど…
その通りです。
例えば、今一番メジャーなNVIDIAの『H200』というAIチップは、1枚で約600万円します。
そして、Kimi K2 Thinkingを本格的に動かすには、それが32枚は必要になると言われています。
ろ、600万×32枚…約2億円!?
はい。Webサービス上でChatGPTのように無料で試せるモードもありますが、無制限に手元で動かすにはそれぐらい投資が必要です。
2億円は個人にはとても手が出せる額じゃないですが…企業だったら払えそうですね。
その通りです。
そして肝心のChatGPTとKimi K2 Thinkingの性能についてです。
結局、性能が一番大事ですもんね!
一部のテストで、Kimi K2 ThinkingはGPT-5を上回る結果を出しています。
これはすごいことです。
おお!具体的にはどんなテストで勝ったんでしょうか?
例えば、AIがWebで情報を検索し、その知識を正しく使えるかを測る『BrowseComp』というテストでは、Kimi K2 Thinkingが60.2%、ChatGPT-5が54.9%という結果だったと言われています。
すごい!ちゃんと差をつけて勝っているんですね!
性能以上に注目すべきはKimi K2 Thinkingのコストパフォーマンスです。
ChatGPTの最新モデルを作る開発コストは推定で100億円以上と言われています。
それに対し、Kimi K2 Thinkingの開発費は、推定約7億円です。
え、10分の1以下!
それで性能がChatGPTを上回っている部分もあるなんて…。
規格外のコストパフォーマンスですね。
高性能AIの低コスト化のトレンド
そして重要なのは、この『高性能AIの低コスト化』の流れは、今回のKimi K2 Thinkingが初めてではない、ということ。
と、言いますと?
実は、今年の初めにも、AI業界を揺るがす『DeepSeekショック』と呼ばれる事件がありました。
ディープシーク・ショック!聞いたことあります!
たしか、どこかの株価が暴落したとか…。
その通りです。
同じく中国製のオープンソースAI『DeepSeek』が古いAIチップを使っているのにも関わらず驚異的な性能を示した結果、AIチップの王者NVIDIAの株価はたった1日で17%も下落。
時価総額にして約93兆円、日本の年間国家予算に近い額が吹き飛んだのです。
たった一つの無料AIの登場で、それほどの衝撃が走ったのですね。
ええ。DeepSeekが有料の最先端AIに『追いついた』最初の黒船だとすれば、今回のKimi K2 Thinkingは、一部の分野で『追い越した』第二の黒船と言えるでしょう。
一度ならず、二度までも…。
これはもう、ただの偶然じゃないですね。
おっしゃる通りです。
その証拠に、AIチップの王者であるNVIDIAのCEO、ジェンスン・フアンですら、中国のAIを『世界クラス』だと認めています。
お馴染み革ジャン社長!
ええ。これらの出来事は、高性能AIの開発が、もはや一部の巨大テック企業の独占状態ではなくなりつつある、という大きな変動の始まりなのです。
LLM開発が「民主化」する未来
これまで、企業がChatGPTレベルのAIを自社で運用するための費用が、現実的なものになったことを話してきました。
これによって、すべての企業が自社専用のAIを持つのが当たり前になるかもしれません。
サービスとしてAIを使わなくなると?
その通りです。
そして、自分たちでAIを開発できるこの大きな波は、AI開発競争において完全に蚊帳の外になってしまった今の日本にとって、チャンスと言えます。
チャンス…ですか?
どういうことです?
例えば漫画を生成することに特化したAIなど、日本の強みを活かしたAIを莫大な投資をせずとも開発できるようになるでしょう。
なるほど、自分たちの強みを活かせるようにチューニングしたAIを開発できるわけですね!
ええ。そして、この『LLM開発の民主化』の流れは加速していきます。
開発競争と低コスト化がさらに進めば、いずれは企業だけではなく、私たちのような個人が、少し頑張れば手が届く金額で、自分だけの高性能なAIを開発できる未来が来るかもしれません。
こ、個人が…まるで自分のパソコンを一台買うような感覚で、自分だけのChatGPTを持てるようになる、と…?
その通りです。
そうなれば、次の時代を創る革命的なAIサービスは、もはやシリコンバレーの巨大テック企業から生まれるとは限らないでしょう。
日本から世界で通用するAIサービスが生まれるかもしれないってことですね…?
ええ。次のChatGPTを作るのはマジさんかもしれません。
その千載一遇のチャンスを見逃さないためにも、世界の最先端のニュースを追い続けるのが重要です。
本日のデイリーニュースは以上です。
また明日お会いしましょう。