これさえ押さえておけば取り残されない最先端のAIニュースを1日1つお伝えします。
マジさん、AIの進化で私たちの未来がどう変わるのか、気になりませんか?
うーん、気になりますが、未来予測なんて誰にもできないでしょう。
考えるだけ無駄では?
無駄ではありません。
マジさん、AIの進化で劇的に変わる私たちの未来を予測したくはないですか?
ええ!したいです!
であれば、今起きている巨大テック企業の『AIチップ戦争』を理解するのは必須です。
せ、戦争!なんだか物騒な響きですね。
ボクは平和を願っていますよ。
はい、私もです。
ただし近年のAI開発競争激化は、戦争といってもいいほど激しくなっています。
それを象徴するニュースが、11/4に飛び込んできました。
それは、ChatGPTを提供するOpenAIとAmazonの電撃提携です。
巨人同士の提携…。
あのぉ、マスター。AIチップ戦争と言われても正直、ピンと来ません。
そうですよね。マジさんのようにピンとこない方がほとんどでしょう。
ですが、このAIチップ戦争を理解しないとAIの波に翻弄され続けるいち消費者になってしまいます。
なんですって!いやです!ボクは波に乗る側にいたいんですよマスター!
お任せください。
今回は知識ゼロの方でもわかるようにOpenAIとAmazonの提携のビッグニュースから、AIチップ戦争を紐解いていきます。
OpenAIとAmazonの電撃提携、その真相とは
ニュースの内容は、OpenAIがAmazonのAWSと呼ばれるクラウドサービスを、7年間で380億ドル、日本円にして約5.9兆円という巨大契約を結んだことです。
あー、またそういうやつですか!
AI関連の投資のニュースはいつもなんたら兆円とかでデカすぎるんですよ。
気持ちはわかります。
5.9兆円と言われても投資として大きいか小さいかわかりませんよね。
参考までに、5.9兆円は空港の新規建設に匹敵する"国家級インフラ"クラスの金額といえます。
うぅ、国家級インフラクラスを一企業が支払うなんて…。
そんな大金で何を得るのですか?
AIチップ、つまりAIの頭脳と言えるGPUを大量に確保したのです。
頭脳か、AIの要ということですね。
ええ。元々OpenAIは、主に大株主でもあるMicrosoftを通じてGPUを中心に確保していました。
最近ではGoogleなど他の供給元も増えていますが、今回は新たにAmazonからも供給を受けることになったのです。
あれ、Microsoft経由だけでは足りなくなったのですか?
そう考えられます。
これまでは契約上Microsoftが優先的な立場にあり、他社と並行で組むには制約がありましたが、先日の契約見直しでそれが緩和されたことも影響しています。
AIの心臓部「GPU」とは何か?
んーっと、GPUが足りない、という話ですが、そもそもGPUってなんでしたっけ?
GPUは、AIの性能を向上させるために必要なチップのことです。
それって、AI特化の特殊なものなのですか?
いえ、皆さんがお使いのスマホやPCにも入っているチップですよ。
コンピュータにはざっくり、考える仕組みと保存する仕組みの2つがあります。
GPUは考える側のチップです。
保存する仕組みはストレージですよね!
ええ。ちなみに考える仕組みには、GPUの他にCPUというのもあります。
このCPUがなんでもできる優秀な1人の司令塔だとすると、GPUは単純作業を大人数でこなす組織と言えるでしょう。
あ、では今回GPUがもっと必要ってことは、AIに単純作業を沢山させるってことですか?
おっしゃる通りです。
AIの計算は単純作業を大量にこなすことで成り立っています。
GPUを沢山用意できれば、AIの計算能力を高めることができるのです。
なるほど。ちなみにどれだけGPUが必要なのでしょう?
参考までに、2024年の専門家の試算では、ChatGPTのサービスを維持するための費用で、1日あたり約16億円ほどかかっていると言われています。
その大部分が、GPUのレンタル代と電気代と言われていますね。
うわぁ、たった1日で16億円…!
AIの進化は、『GPUをどれだけ食べさせられるか』にかかっている、ということですね。
なぜ絶対王者「NVIDIA」でなければならないのか
ただ、GPUなら何でも良いわけではありません。
GPUにもいいやつと悪いやつがあるのですか?
その通りです。
実は、AIチップ市場において、NVIDIAという企業が9割以上のシェアを誇る、絶対王者として君臨しています。
独占ですね…。
NVIDIAの話題が出てくる時に見る革ジャン社長好きです。
いつも革ジャンのジェンスン・フアンCEOですね。
NVIDIAのチップが支持される理由には、『モノの良さ』と『扱いやすさ』の両輪にあります。
というと?
まず一番重要なのが『モノの良さ』。
NVIDIAのチップは計算性能が高く、その上で消費電力が低い、つまり電気代が安いのです。
すごい!性能が良くて燃費も良い。
最強じゃないですか。
ええ。そして、よりNVIDIAのチップを代替できないものにしているのが『扱いやすさ』です。
扱いやすさとは、どういうことですか?
実は、多くのAIを開発する研究者やエンジニアは、『CUDA』というNVIDIA製のチップが扱いやすくなる専用のプラットフォームを使っています。
え、そうなんですか?
エンジニアがNVIDIAに合わせているんですね!
はい。そのため、扱いやすい一方で、もし他社のチップに乗り換えようとすると、これまで作ってきたAIの設計図を書き変える必要も出てきてしまうのです。
なんと!一度NVIDIAのエコシステムに入ったら、抜け出すのが大変というわけですね。
各社が「GPU集め」に必死な理由
その通り。だから今、世界中の企業が、NVIDIA製GPUの壮絶な奪い合いをしているのです。
えっと、NVIDIAがすごいのはわかりました。
でも、国家予算級のお金を投じてまで、なぜ各社はそんなに必死にGPUを買い集めているんですか?
気になりますよね。
それは、AI事業における『攻め』と『守り』、その両方でGPUが生命線だからです。
攻めと、守り…?
ええ。まず『攻め』の面。例えば今年2月に『GPT-4.5』が発表された際、GPU不足から全てのユーザーに一斉提供できず、段階的なリリースになったことがありました。
ChatGPT運営は大混乱だったでしょうね。
はい。革新的なサービスを開発しても、それを動かすGPUがなければユーザーに届けられません。
提供できなければ意味がないですもんね。
はい。次に『守り』の面です。今この瞬間も、世界中で使われているAIサービスを安定して動かし続けるために、膨大な数のGPUが稼働しています。
もしGPUが足りなくなれば、サービスの停止という最悪の事態も起こりかねません。
攻めにも守りにも不可欠…!
あー、だからこそGPUの確保は各社にとって死活問題であり、OpenAIはMicrosoft1社だけに頼るリスクを避ける必要があったんですね。
まとめ:設備投資額は、「未来予測の指標」だ
そうですね。AIの性能を上げるため、『AIチップをどれだけ集められるか』という、国家予算レベルの壮絶な椅子取りゲームが、今水面下で行われています。
いやはや、凄まじい世界です…。
そして、ここからが最も重要な視点。
私たちが今使っているAIの性能は、過去の投資の結果に過ぎません。
そして、未来のAIの性能は、現在の投資額によって決まるのです。
お金をどれだけかけるかに、AIの性能はかかっているのですね。
ええ。しかも、その投資額はまさに天文学的です。例えばOpenAIの投資額は、2023年時点の約1.5兆円から、2025年のたった1年間だけで約6兆円にになりました。
今後10年のうちに計約200兆円にも達するのではないかと推定されています。
ええ!200兆円!?
日本の国家予算をゆうに超えるレベルですね。
ただ、重要なのは、この莫大な投資がサービスの性能向上に繋がるまでには、タイムラグがあるということ。
投資したらすぐに性能が上がるわけではない。と。
はい。巨大な計算センターの建設やAIの開発には時間がかかります。
つまり、私たちが今享受しているAIの性能は、数年前の投資の結果なのです。
なるほど!えっと、じゃあ今の膨大な投資額が、数年後のAI性能に…?
その通りです。
例えばOpenAIは、この2年間でAIインフラへの投資額を約4倍に増やしていると推測されます。
では、2年後のAIの性能はどうなっていると予測できるでしょうか?
まさか…今よりも4倍賢くなる、ということですか!?
ええ。もちろん、単純に性能が4倍になるわけではありませんが、ざっくりAIの進化を占う指標になります。
巨大テック企業の『設備投資額』こそ、数年後のAIの進化を予測する、最も重要な先行指標なのです。
設備投資額が、未来の成績表…!
なんだか未来が少し見えた気がします!
この構造を理解せず、ただ新しいAIツールを使うだけの『ユーザー』に留まるのか。
それとも、投資競争の裏側を読み解き、未来の『波に乗る側』に回るのか。
一つのニュースの見方次第で、あなたの未来も変わる可能性が大いにあります。
では本日のデイリーニュースは以上です。
また次回お会いしましょう。