マスター!緊急事態です!
おや、マジさん。
どうかされたのですか?
突然辞めた先輩の置き土産のExcelファイルが、古代遺跡の石板かってくらい理解不能なんです…!
ふむ、複雑なExcelファイルを突然引き継ぐことになったのですね?
ええ!しかも上司は、そのExcelファイルを使って顧客分析をして、キャンペーン施策を提案しろと!
なるほど、なかなか大変なことになっていますね。
それで、どうなったのでしょうか?
ChatGPTに「このデータを分析する方法を教えて」と聞いたんですが、返ってきたのは意味不明な回答ばかり…。
どうやらAIでさえ、このExcelファイルを解析できないようです。
最後の足掻きとして、オフィス帰りにExcelの使い方の本を買いましたが、内容が膨大すぎて到底読みきれません。
このままでは、ボクのキャリアがここで潰れます!
状況は理解しました。
お時間がないようなら、AIでExcelを使いこなす方法、本当に役立つことだけに絞ってお話ししますよ。
助かった…!ぜひお願いします!
一応、Excelの使い方の本も持ってきたのですが、これを見ながらが良いでしょうか?
いえ、マジさん。
Excelを使いこなすために勉強する必要は、もうありません。
え?でもExcelを使いこなす人たちは、みんな関数だとかマクロだとか、難しいことをいっぱい知っているじゃないですか。
たしかに昔は勉強が必要でした。
ただ、AIの登場で状況は変わったのです。
もう、AIが全部やってくれると?
そこまで丸投げはできません。
ただ、AIがある今、Excel素人と玄人を分ける大きな違いは、「3つの原則」を理解しているかどうかにあるのです。
たった3つ?何ですかそれは。
3つの原則とは、後から変わる値は変数として外に出す。
データはデータベースで作る。
そして、繰り返し作業は徹底的に自動化する。
これだけです。
うーん、なんだか小難しいですね。
ボクが知りたいのは今すぐ使える具体的な解決策です。
マジさん、この「3つの原則」を理解しないままでは、どれだけ小手先のテクニックを知っても、その場限りの応急処置にしかなりません。
すぐに忘れてしまいますよ。
うっ…たしかに、Excel触るたびに「あれどうやるんだっけ」ってなることは多いですけど…。
ええ。では、「3つの原則」がなぜ重要なのか。
実際にExcelファイルをAIで操作しながらお見せしましょう。
実演してもらえるのは助かります!
話だけだとよくわからなくて…。
安心してください。
これからお見せする内容を見れば、マジさんも必ず使いこなせるようになります。
3つの原則に沿って、複雑なExcelファイルもご自分で簡単に整理できるはずです。
最強の相棒 Claude for Excel
ではまずは、今回使うAIをご紹介します。
Excel操作において、現時点で「最強」のAIは、『Claude for Excel』です。
Claude for Excel…?初めて聞きました。
ChatGPT、Geminiに並ぶビッグ3の1つ、Anthropic社のClaudeが、Excelの画面上で使えるというツールです。
へえ、ClaudeがExcelの画面内に表示されるのですか?
ええ。「アドイン」というExcelの拡張機能を使います。
要はスマホにアプリを入れるような感覚で、Excelに新しい機能を追加できるのです。
このボタンから「Claude」を検索します。
出てきたこちらをインストールすることで、Excelのシート横にClaudeのチャット画面を召喚できます。
おお!Excelの中にチャット画面が!
1つの画面で完結するんですね!
これなら、別の画面に開いたAIとExcelをいちいち切り替えなくて済むので楽そうです。
ただ、最初にお伝えしておくと、この「Claude for Excel」は誰でも使えるわけではありません。
えっ、そうなんですか?
現在はまだベータ版で、利用するにはClaudeの「Team plan(5名以上)」、もしくは月額100ドル(約1.5万円)からのMAXプランへの加入が必要です。
さらに、Microsoft側でも設定が必要です。
Microsoft 365の管理センターを開いて、左メニューの設定→統合アプリ→アドインへ進み、アドインの取得で『Claude』を検索します。
検索結果からClaudeのアドインを選び、このボタンを押す必要があります。
うわぁ、ハードルが高い…。
じゃあClaude課金してないボクの会社は、指をくわえて見てるだけ…?
ご安心を。
Microsoft 365を契約していれば、代替案として「Copilot in Excel」があります。
あー、たしかにCopilot利用できるらしいって聞いたことあります。
ただ、使える環境がある人は、『Claude for Excel』を今すぐ使うべきです。
それほどまでに性能がずば抜けています。
ずば抜けている…?ClaudeとCopilotでそんなに違うんですか?
そうですね。
速度、正確さ、そして何より、「実際にExcelシートを編集する力」が段違いです。
おお、ワクワクしてきましたね!早速見せてください!
原則① 後から変わる値は変数として外に出す
まず1つ目の原則。
「後から変わる値は、変数として外に出す」です。
これができていないExcelファイルは、時限爆弾のようなものです。
じ、時限爆弾!?
ええ、実演でお見せしましょう。
例えば、この顧客満足度アンケートを集計したサンプルファイルを使ってみます。
この評価点を「高評価(7点以上)」「低評価(3点以下)」に分類することになったとします。
マジさんならどうしますか?
フッ、そんなの朝飯前ですよ!
IF関数を使って、「もし7以上なら高評価」って数式に書き込めば一発です!
Excel検定3級のボクを甘く見ないでください。
その「数式に書き込めばいい」という発想こそが、後任者を地獄に突き落とす諸悪の根源です。
ええっ!?地獄って、ボクはただ効率的に…。
では、もし明日、上司に「やっぱり基準は8点以上にしよう」と言われたら?
さらに「いや、やっぱり厳しく9点だ」「甘めに6点でもシミュレーションしてみたい」と何度も言われる可能性もありますね。
うっ…その度に数式を開いて、数字を書き換えて、全体に反映し直して…。
あの上司ならやりかねないから怖いです。
その「都度、数式を触る」という作業こそが、ミスの温床であり、時間の無駄なのです。
たしかに、焦って数式を壊しちゃったりしそう…。
そうでしょう。
だからこそ、変わりうる数字、すなわち「変数」は、数式の中に埋め込まず外に出します。
なるほど…。でも、外に出すって何をしたらいいんですか?
Claudeに頼めば良いだけです。
ここで重要なのは、単に「数式を作って」と頼むのではなく、「未来の変更リスク」まで伝えること。
ほう!将来変わるかもってことまで伝えるんですね!
ええ、では指示してみます。
「顧客の付けた評価によって、6以上は高評価、5以下は低評価としたいです。ただし、この基準となる点数は将来変わる可能性があります。基準が変わっても数式を直さなくて済むように、可変にできる設計で数式を作って、E列に反映してください。」と。
これで送信してみましょう。
うわっ速い!一瞬でE列に「高評価」や「低評価」が記載される!
はい。Claudeは、このようにシートを直接編集してくれます。
そして、数式を見てみてください。
えっと…おっ?「$B$25」っていうセルを参照してますね。
で、そのB25セルには…あ!「6」が入ってる!
その通りです。
Claudeは「基準値は外に出すべき」という意図を汲み取り、空いているセルに勝手に基準値を作成し、数式もそれを参照するように組んでくれたのです。
気が利きすぎる…!
試しに基準値のセルを、「6」から「7」に変えてみてください。
えっと、ここを7にして…あっ!一瞬で判定が変わった!
これなら修正漏れも起きないし、めちゃくちゃ楽ですね!
ちなみに、これをCopilotでやろうとすると、数式の提案まではしてくれますが、勝手にセルを作るまではしてくれません。
提案された数式を、人間が手作業でコピペする必要があります。
うわ、それは面倒くさい!
Claudeなら丸投げできるってことですね。
原則② データはデータベースで作る
では、2つ目の原則。
「データはデータベースで作る」です。
今度はこちらの売上報告書のサンプルファイルを見てください。
ごく普通の売上表ですね。
支店ごとにまとまっていて、見やすくて良いじゃないですか。
そうですね。
しかし、もし上司から「これ、支店ごとじゃなくて、商品ごとに比較したいから作り直して」と言われたらどうしますか?
えっ!?商品別に作り直し?
えっと、セルを分解して並び変えてって…どれだけかかるか分かりませんよ…。
そう、見せ方を変えようとするだけで、地獄の作り直し作業が発生する。
これが「マトリクス形式の呪い」です。
うわぁ…!前の部署で毎月「表の組み直し」だけで残業してた先輩の顔が浮かびました…。
あれは呪いだったのか…。
そこでまず目指すべきデータ保存の理想の形が、1行に1つのデータ情報がまとまっている「データベース形式」。
具体的には、このように「日付・店舗・商品・売上」が、1行に並ぶ形です。
このデータベースさえあれば、Excel業務が劇的に楽になります。
えっ、ちょっと待ってください。
この完成された表のセルごとの情報を、縦に並べ替えるんですか?
同じく地獄の作業なんじゃ…。
たしかにこれまでは、地獄の単純作業か、もしくは高度なプログラミングの二択でした。
しかし、Claudeなら指示するだけです。
しばらく待つと、このように変換されます。
うわっ、一瞬で変換された!
地獄の作業が、指示ひとつで完了しちゃいました!
はい。ちなみにCopilotでも同じように、データベースへの変換ができます。
ただ、Claudeよりは処理に時間がかかってしまいますね。
すごい!すごいんですけど…でもマスター、これめちゃくちゃ見にくくないですか?
同じ日付が何行も並んでて、縦に長くて、パッと見で売上が全然頭に入ってきません!
鋭い指摘です。
ですが、この形こそが「データの最強の保存形式」。
データベースさえあれば、あとはClaudeに頼むだけで、商品ごとの表でも、月ごとの表でも、好きな形の見せ方を一瞬で生成できます。
実際に、商品ごとの表を作ってもらいましょう。
うわっ、一瞬で商品ごとの表ができた!
マジさん、この自動生成された表の数式を見てみてください。
えっと、クリックして…。なんですかこの数式は?
これは『SUMIFS(サムイフス)』という関数です。
指定したデータから、複数の条件に合うものだけを足すことができます。
重要なのは、隣のセルも、その下のセルも、全て同じ構造の数式が入っているという点です。
あ、本当だ!全部同じ数式です。
まさに、データベースを作ったことの恩恵。
手作業で入力する表と違い、ミスが入り込む余地がないのです。
さらに、大元のデータベースに行を追加してみましょう。
さて、さっきの商品別表のシートに戻って、スマートフォンの売上を見てみてください。
はい…え?数字が増えてる!
ええ。大元のデータベースが変われば、全ての表が自動で変わる。
これがデータベース化の威力です。
なるほど…!大元のデータさえあれば、「見せ方」の方はいじる必要がないんですね!
その通り。
データの保存は、この見にくいけど変化に強いデータベース形式に集約し、閲覧は見やすい形に加工する。
この使い分けこそが、Excel玄人の鉄則なのです。
そして、このデータベース化による更なるメリットを、3つ目の原則と絡めてお見せしましょう。
原則③ 複雑な作業は徹底的に自動化する
では、その3つ目の原則をご説明しましょう。
「複雑な作業は自動化する」です。
自動化?データベースを作ったことが、どう自動化に活きてくるんですか?
例えば、「スマートフォンの売上だけ見たい」という場合、多くの方は、フィルター機能でポチポチとデータを絞り込んだり、その都度グラフを作り直したりします。
ええ、ボクもそうしますね。
グラフをいちいち作り直すのが面倒で…。
その「面倒な集計作業」こそ、データベース化していれば一瞬で終わります。
Excelには『ピボットテーブル』という、データを自由自在に集計・分析できる、最強の機能があるのをご存知ですか?
あー、なんか名前は聞いたことあります!
でも、使い方が難しそうで食わず嫌いしてて…。
ご安心ください。Claudeがいれば、難しい設定は不要です。
こう伝えるだけでいいのです。
しばらく待つと、この通り。
うわっ、一瞬で表とグラフが出てきた!
はい。これが「ピボットテーブル」と「ピボットグラフ」です。
普通のグラフや表とは違うのですか?
ええ。例えば、「スマートフォンだけの売上が見たい」と思ったら、ここを押して、フィルターのチェックボックスで「スマートフォン」を選ぶだけ。
おお!グラフまで連動して変わった!
ええ。逆に「全商品を見たい」なら、フィルターを解除すれば元通り。
このように、一度ピボットテーブルを作ってしまえば、あらゆる切り口の分析を、カーソル操作だけで自由自在に行えるのです。
すごい!いちいち表を作り直さなくていいんだ!
ええ、データベースという「素材」さえあれば、あとはClaudeに頼んで「ピボットテーブル」を用意してもらうだけ。
これでもう、上司の急な無茶振りにも秒で対応できますよ。
Claude for Excelの便利な活用術3選
ここまでの実演で、Excel素人と玄人を分ける「3つの原則」を実践してきました。
最後に、「Claude for Excel」を使った、便利な活用術3つをサクッとご紹介しておきましょう。
おっ!Tips集ですね!お願いします!
まず1つ目は、データの「お掃除」です。
マジさん、先ほどデータベースを作りましたが、実務では元々のデータの表記や形式が揃っていなくて困ることはありませんか?
ありますあります!
お客さんが手入力した住所の集計とか、最悪ですよ!
全角と半角が混ざってたり、スペースがあったりなかったり…手直しだけで日が暮れます!
手作業で直すのは、まさに地獄ですよね。
しかし、Claudeならこう指示するだけで解決します。
「このデータの表記ゆれを統一して。全角は半角に、スペースは削除、会社名の『(株)』などの表記も統一してください」と。
うわっ、すごい勢いで直されていく!
半日はかかりそうな作業が数秒で…。
これ、地味だけど一番助かるやつですよ!
続いて2つ目は、「エラー修正」です。
マジさん、張り切って数式を組んでみたものの、『#N/A』や『#VALUE!』といったエラーが出て、心が折れた経験はありませんか?
しょっちゅうあります…!
でも、何が悪いのかさっぱり分からないんですよ!
いつもその瞬間にオフィスを飛び出して、そのまま家に帰ろうかと本気で迷います。
そんな時は、Claudeにこう聞いてみてください。
えっ!?エラーが消えた!?何もしないのに!
はい。Claudeはエラーの原因を特定し、正しい数式に書き換えてくれたのです。
原因もチャットで解説してくれますよ。
うわ、直し方を教えてくれるだけじゃなくて、勝手に直してくれるんですね!
これならもう、オフィスから逃げ出さなくて済みそうです!
はい、これでもう、一人でエラーと格闘する時間はゼロになります。
そして最後は、「数字の分析」です。
マジさん、苦労して集計表を作った後、上司に「で、結局どうすれば売上が上がるの?」と聞かれて、困ったことはありませんか?
うっ…痛いところを突きますね…。
グラフを見せて「頑張ります」と言うくらいしか…。
これもClaudeに任せれば簡単です。こう入力してみます。
「この売上データから顧客の購買傾向を分析して。特に売上が落ちている要因と、来月行う具体的なキャンペーン施策を3つ提案してください。」
すると、このように提案をしてくれました。
す、すごーい!
「パソコン周辺機器 アップグレードキャンペーン」なんて、ボクだったら絶対思いつかない!
ええ、データを綺麗に整理しておくと、AIもより分析しやすくなるはずです。
まとめ Excel操作の3つの原則
さて、マジさん。
ここまでExcelを効率的に使うための活用法をご紹介してきましたが、いかがでしたか?
いやぁ、圧巻でした…。
AIでここまでできるとは!
ええ、私自身、Claude for Excelを初めて使った時は驚きました。
それでは、今日お伝えしたことを振り返ってみましょう。
お願いします!
今日お伝えしたのは、Excelを使いこなすための3つの原則。
「後から変わる値は変数として外に出す」
「データはデータベースで作る」
「そして、複雑な集計や分析は自動化する」。
うっ…今思うとボクは、全くできていませんでした…。
気にすることではありません。
これからは、3つの原則に基づいて、AIに面倒な作業を任せられるようになります。
たしかに…今まではただの集計作業だけで疲れ果てていました。
でも、もう「分析をもとに何を提案するか」を考えることだけに時間を使えるようになりますね。
素晴らしい気づきです。
大事なのは、ただのデータではなく、それをどう使うか。
自分がこうしたいという提案を自信を持ってするために、ぜひAIを活用してください。
はい!あの混沌としたExcelファイルも、AIを使って整理すれば、上司を唸らせる最高の提案が作れる気がしてきました!
マスター、今日は本当にありがとうございました!