これさえ押さえれば取り残されない、最先端のAIニュースを1日1つお伝えします。
マジさん、今AI業界で完全に出遅れている日本ですが、この状況を覆す一手があることをご存知ですか?
え、そんなものがあるんですか?
それは、今回紹介する『Rapidus(ラピダス)』です。
ラピダス…?
なんかRPGの魔法みたいな名前ですね。
ラピダスは日本の半導体メーカーの企業です。
実は、この『ラピダス』で、国が「9回裏からの逆転満塁ホームラン」を狙った大博打に出ています。
えぇ日本政府がギャンブルをしているんですか?
ええ。政府は11/29に発表した経済対策で、AI・半導体分野を含む成長投資として約6.4兆円もの巨額投資を決定しました。
その「本命」がラピダスだと推測されます。
日本政府が、どうしてその、聞いたこともない会社に投資を…?
気になりますよね。
今日は、ラピダスとは、どんな会社なのか?
このギャンブルは本当に勝てるのか?
日本の未来に関わるニュースを解説していきます。
よろしくお願いします!
そもそも半導体とは?なぜそんなに重要なのか?
まず、今回の話をするにあたって理解しておく必要のある半導体について簡単に説明しましょう。
半導体って、なんか機械に入ってる緑色の板みたいなやつ?
でしたっけ?
そのイメージで間違いありません。
半導体とは、一言でいえば「電気のオン・オフを高速で切り替えるスイッチの集合体」です。
え、ただのスイッチですか?
もっとスゴいものかと思っていたんですけど。
そうですね。
実はコンピュータの世界では、あらゆる情報を「0と1」の組み合わせで処理しています。
半導体のスイッチが超高速でオンとオフを切り替えることで、1と0を表現し、膨大な計算を行っているのです。
じゃあ、半導体がないとそもそも機械は計算ができないと?
その通りです。
このスイッチが何十億個も詰め込まれ、超高速でパチパチと切り替わることで、結果としてスマホの画面を表示したり、AIが答えを考えたりできます。
半導体でのスイッチのオンオフが、ボクたちの命令を処理する計算になってたんですね。
はい。そして、半導体はAIやスマホ・PCの他にも、自動車、家電、さらには最新のミサイルまで、あらゆる機械に使われています。
「現代社会の心臓部」と言えるパーツなのです。
世界最強のメーカーTSMCと、日本の現在地
なるほど。でも、たしか半導体って日本の得意分野じゃなかったでしたっけ?
残念ながら、今はそうではありません。
現在、半導体の製造は台湾の『TSMC』という企業が圧倒的です。
TSMC…ニュースでよく聞きますけど、そんなにスゴいんですか?
ええ。TSMCは、半導体の受託製造市場において、世界シェアの約70%を握っています。
特にAIに使われるような最先端製品に限れば、9割近くのシェアに達するとも言われているのです。
それって、世界中のテック企業がTSMC頼みってことじゃないですか!
その通り。
あのAppleや、AI業界の王者NVIDIAも、半導体はTSMCにお願いして作ってもらっているのが現状です。
TSMC一強なんですね…。
で、日本はどうなっちゃったんですか?
今の日本に最先端の半導体を量産できる設備はなく、半導体製造のシェアは、1990年ごろのピーク時の50%から現在では10%以下にまで落ち込みました。
うっ、悲しい現実…。
完全に過去の栄光ですね。
半導体の部品などの「裏方」では今でも世界トップクラスですが、肝心の「主役」である半導体チップそのものは作れない。
これが、日本の現在地なのです。
Rapidusの正体と「勝ち筋」の技術
じゃあ、その悲しい現実を覆そうとしているのが、さっき言ってた『ラピダス』ってことですか?
その通りです。
ラピダスは、再び日本を半導体の世界で輝かせるために設立された「ドリームチーム」なのです。
ドリームチーム…!
何がスゴいんですか?
まず、出資している企業を見てみましょう。
トヨタ、ソニー、NTT、ソフトバンクなど、日本を代表するトップ企業8社が名を連ねています。
さらに、国からも既に1兆円を超える支援を受けているのです。
うわ、メンツもお金も豪華すぎる!
まさに国を賭けての挑戦…。
さらに経営トップには、長年この半導体業界を牽引してきた重鎮、東哲郎会長や小池淳義社長が集結しています。
なるほど。本気度は伝わってきました。
でも、TSMCに勝つなんて無理ゲーじゃないですか?
向こうは世界最強なんですよね?
良い質問です。
実はラピダスは、TSMCに勝とうとはしていません。
まずは、TSMCの2番手ポジションを狙っているのです。
うーん。なんだか、戦う前から負け惜しみしているように聞こえますけど。
いいえ。そもそも半導体市場は2030年には1兆ドル、日本円で約150兆円規模になると言われる超巨大市場です。
2番手ポジションを取るだけで十分な売り上げが出ます。
150兆円!
たしかに、それぐらい大きな市場なら2番手でもスゴいですね…。
はい。そして、作るものはTSMCと同じく、現在の最先端「2ナノメートル」の電気回路で作る次世代半導体です。
髪の毛の数万分の一という微細な世界ですね。
髪の毛の数万分の一…。
もうそれ目に見えないでしょ。
そうですね。
ただ、今の日本の量産技術は40nm台が中心で、最先端の2nmはその20分の1の小ささです。
これは、一気に数世代分を飛び級で進化させるという、常識外れの挑戦なのです。
え、流石に飛び級すぎません!?
それって、小学生がいきなり大学入試受けるようなものなんじゃ…。
ええ、まさにそれぐらいの難易度でしょう。
うーん。でも、TSMCが作っているものを頑張って真似しているだけで大丈夫なんですか?
そんなのどこの企業もやるんじゃ?
鋭い質問です。
実は、ラピダスの狙いは、TSMCと同じものを大量に売ることではありません。
じゃあ何を売るんですか?
「速さ」です。
えーと、どういうことでしょう?
たとえばTSMCは「巨大な給食センター」のように、一度に大量の半導体を効率よく作るのが得意です。
対してラピダスは、「オーダーメイドの超一流シェフ」のように、特注品を圧倒的な速さで作ることを目指しています。
なるほど!
大量生産じゃなくて、特別なやつを早く欲しい人向けなんですね。
ええ。そこでラピダスは「完全枚葉式(かんぜんまいようしき)」という製造方式を採用しています。
通常はまとめて処理する工程も含め、全ての工程でチップ一枚一枚を高速処理します。
結果、工程間の待ち時間をなくし納品までの期間を劇的に短くするのです。
へぇ〜!
徹底的にスピードにこだわってるわけですか。
その通り。
実は『ラピダス(Rapidus)』という社名も、ラテン語で「速い」という意味なんですよ。
なんかかっこいい!
ボクもニックネーム変えようかな。
『マジダス』とかどうです?
仕事が速そうじゃないですか?
少しダサさが目立ってしまうかもしれませんね。
ちなみに現在、ラピダスはまだ製品はできていないものの、2nmの回路を作る実験には成功しています。
え、スゴい!
もう実験に成功してるんですね!
しかし、「試作品が作れること」と「不良品を出さずに製品として一定数を供給できること」の間には、とてつもなく高い壁があります。
ここを乗り越え売り上げを立てられるかどうかが、勝負の分かれ目になるでしょう。
なるほど…。
たしかに実際に売れないと話にならないですもんね。
ぶっちゃけ、このギャンブルは勝てるのか?
でもマスター、これって絵に描いた餅じゃないですか?
本当にうまくいくんですかね?
たしかに、マジさんのように世界中の専門家の中には、このラピダスの挑戦を「ドリーム(夢物語)」と呼んで冷ややかに見ている人も少なくありません。
やっぱり…。
だって周回遅れの日本がいきなり2番手ポジションを目指すなんて、普通に考えたら無理ですよね。
ええ。一部では「馬鹿げたアイデアだ」といった厳しい声があるのも事実です。
うわぁ、ボロクソだ…。
やっぱり失敗する確率の方が高いんじゃ…。
しかし、一方で「勝機はある」と見る意見も確実に存在します。
その最大の理由は「TSMC以外の選択肢」を世界が求めているからです。
あれ、皆TSMCの半導体を欲しがっているから、一強なんじゃないんですか?
むしろ一強だからこそです。
たとえばもし中国が台湾を攻める「台湾有事」が起きてTSMCが止まったら、世界中のテック企業は自社製品を作れません。
だからこそ、AppleやNVIDIAといった巨大企業は、リスク分散のために「第二のTSMC」を喉から手が出るほど欲しているのです。
あーよくある一社に依存するのは危険という話ですね。
その通りです。
そこで、AI時代に特化した「超短納期」という独自の強みを持つラピダスが強力な受け皿のポジションを獲れる可能性はあります。
たしかに、それならチャンスはあるかも…。
で、マスターの予想はどうなんです?
勝ち目はあるんですか?
あくまで私個人の見解ですが、現時点では「50-50(フィフティ・フィフティ)」といったところでしょう。
五分五分…!
意外と高いですね!
負け戦が決まっているわけではありませんが、全くもって楽勝ではない。
ギリギリの戦いと見ています。
納税者としてどう向き合うか
ここまでお伝えしてきたラピダスの挑戦は、決して他人事ではありません。
これは単なる一企業のビジネスではなく、私たちが収めた数兆円の税金が投じられる、巨大な国家プロジェクトなのです。
数兆円…改めて聞くととんでもない金額ですね。
失敗したらボクたちの税金がパーになるわけだ…。
「お金が溶けて終わる」のか、それとも「技術立国ニッポンが復活する」のか。
私たちはその分岐点に立っています。
うーん、正直どっちに転ぶか不安ですけど、なんとか復活してほしいなぁ。
そうですね。
何より重要なのはまず「関心を持つこと」です。
AIで出遅れた日本がこの9回裏の打席でホームランを打てるのか、今後も注視していきましょう。
大きな動きがあれば、またすぐにお伝えします。
日本の未来がかかった大博打、続きが気になります…!
では本日のデイリーニュースは以上です。
また明日お会いしましょう。