AIニュースの時間です。
今回は、皆さんの生産性を劇的に向上させる可能性をもつ、AIブラウザ『Dia(ディア)』の特集です。
2025年9月時点では、まだAppleのMacでしか利用できないアプリですが、すぐに利用できない人でも知っておくべき新しいブラウザ体験をお伝えします。
AIブラウザですか?ボクはジョブズの哲学が息づくSafariを愛用していますが、一度だけなら話を聞いても良いですよ。
DiaはAIを使いこなすことを前提に作られている点で、通常のブラウザとは一線を画します。
実際に私が使いこなして分かった、Diaの具体的な機能と実力、そしてDiaに学ぶAIを使いこなすための考え方に迫っていきましょう。
Diaは何がすごいの?
早速ですが、具体的にDiaは何がすごいのか、結論からお伝えします。
最大のポイントはコピー&ペーストの回数が減り、AIありきで仕事ができるようになることです。
コピペなんて人類の歴史から見れば瞬きにも満たない時間ですよ。ボクを動かすなら産業革命クラスじゃないと!
コピペなんて、と考えるのも分かります。
ですがマジさん、AIに聞いたら早いのに、ChatGPTの画面を開いてコピペするのが面倒で、ついそのままにして忘れてしまう…そんな経験はありませんか?
た、確かに1日3回くらいはある気がしますが…そんな些細なことが何だと言うのですか?
コピペの一手間が、実はAIを使う上での非常に大きな心理的な壁になっているのです。
Diaを使えば、その心理的な壁を取り払い、常にAIを使うという選択肢を持って仕事ができるのです。
ほほう…心理的障壁を取り払うと、面白い仮説ですね。続けてください。
心理的障壁を取り払うのはDiaの基本となる機能、画面の右側にいつでもAIを呼び出せる『AIチャット機能』です。
どのサイトを見ていても、画面の横にずっとChatGPTがいるイメージで、常に今開いているWebサイトの内容を自動で理解してくれるのです。
AIチャット機能が役立つ3つの場面
画面の横にAIチャットがあるだけでそんなに変わるのでしょうか?
実際に見ていただくのが良いですね。AIチャット機能がどのように役に立つのか、具体的な3つの場面をご紹介しましょう。
まずは、一般的なWebサイトの閲覧の場面です。
ブラウザの最も基本的な使い方ですね。
例えば、文章量が多いサイトを読むとき、このニュース記事のサイトで、ただ『このサイトを要約して』とだけ頼んでみます。
すると、このようにサイトの要約が表示されました。
おお、ちゃんと要点を押さえている!ボクが仕事したかと思いました。
このように概要を把握してから、詳細が気になる箇所のみを読むと楽です。
また、サイトを読み進める過程で、専門用語など分からないことが出てくる場合もあるでしょう。
その場合、単語をカーソルで選択してください。
選択した後に右側のAIチャットを見ると、今選択した部分が自動で入力されています。
本当だ!それで、ここに質問を?
ええ、『これ何?』と打ち込むだけで、すぐにAIが答えを返してくれました。コピペは必要ありません。
なるほど。これだけAIへの質問がスムーズだと、分からないことをそのままにせずに済みますね!
では、AIチャット機能が役立つ2つ目の場面、気になる商品の口コミ確認です。
この商品サイトのページで、『口コミを分析して、客観的な視点で評価して』と頼んでみます。
すると、大量の口コミを一件ずつ読むことなく、気になる商品やお店の評価がすぐに分かります。
生の声を見たい時は、口コミの原文をいくつかAIチャットに出してもらうのも良いでしょう。
最後にAIチャット機能が役立つ3つ目の場面、YouTube動画での情報収集です。
例えばこの歴史の解説動画で、『この動画を、クリックできるタイムスタンプ付きで要約して』とお願いしてみます。
動画も要約できるのですか!
はい、この通りです。
どの時間でどんな話をしているか一覧になり、クリックすればそのシーンに直接飛べます。
すごい!動画の概要をあっという間に把握できますね。
ただし、一つ注意点があります。
AIは動画の映像自体を解析しているわけではありません。
YouTubeが提供する動画の文字起こしデータ、つまりテキスト情報だけを読み取っています。
そのため、動画内に表示される図解など、テキスト化されていない内容は残念ながら取得できません。
マスターのイチオシ機能3選
さて、ここまでDiaの基本となる機能、AIチャット機能と、その具体的な活用場面をご紹介してきました。
画面横にAIチャットがあることで、ここまで便利になるとは…。
ここからはAIチャットならではの私イチオシの応用機能を3つ、それぞれ役に立つ場面とあわせてご紹介します。
まず1つ目のイチオシ機能。複数タブを読んでくれる機能です。
複数タブ?開いていないページも含めてAIが読んでくれるってことですか?
はい。ブラウザ上で開いている各ページの内容をAIが横断的に理解してくれます。
便利な場面は、例えばネットショッピング。
複数の商品のうち、どれを買うか迷う場面で役に立ちます。
あるあるですね!
実際にやってみましょう。
ここに、購入を迷っているワイヤレスイヤホンのページを4つ別のページで開きました。
そしてDiaにこう頼みます。『開いている4つの商品の値段、連続再生時間、口コミ評価を比較して、表にまとめて』と。
本当に4つのサイトから情報を抜き出して、ちゃんと表になっている!
これならもうサイトを行き来して見比べる必要がない!
その通りです。
他には、旅行の計画でも大いに役立ちますね。
候補のホテルのサイトをいくつか開いておき、例えば『宿泊料金と駅からの距離を比較して』と頼めば、最適なホテル選びをサポートしてくれます。
2つ目のイチオシ機能は、AIが作った文章をワンクリックで挿入する機能です。
ワンクリックで挿入ですか?イチオシ機能と期待させる割にこれは随分と地味な機能ですね。
実際に見ていただくのが早いでしょう。
例えば、皆さんが毎日のように行うであろうメール作成。
詳細な前提情報を伝える必要なくさっと返信文を作成したい場合にDiaは便利です。
返信したいメールを開いた状態で、Diaに『このメールへのお断りの返信文を、丁寧さを変えて3パターン考えて』と指示してみます。
なるほど、自動でメールを読んでくれるのはありがたい。お、3つ提案が出てきました。
この2番目の案が気に入ったとしましょう。
テキスト下にある『Insert』ボタンをクリックします。
これで入力は完了、あとは送信するだけです。
クリック一回だけ。何か気持ちがいいです。
既に文章の下書きがある場合、それを選択すればボタンは『Insert』から『Replace』に変わり、ワンクリックで置き換えができます。
いちいち文章を消さなくていいのはかなり嬉しいですね。
一見地味に見える機能ですが、1日に何回も文章の作成や修正を繰り返すことを考えると、これは大きな効果があります。
3つ目のイチオシ機能はスキル作成機能。
これは、あなたが日常で繰り返し使うAIへの指示文、つまりプロンプトをショートカットのように保存できる機能です。
よく使うお願いを登録しておくってことですよね?それって、ただの辞書登録と同じでは?
AIチャットの画面でワンクリックで呼び出せる、もっと便利なものです。
このスキル作成機能が役に立つのは、SlackやTeamsといったチャットツールでの利用です。
SlackなどのチャットツールもWeb版で使うってことですかね?ボクはいつもアプリで使っているのですが。
ええ、Diaの力を活かすために、ブラウザでログインして使うのがおすすめですよ。
実際にチャットツールでのスキル作成機能の活用法をお見せしましょう。
まずはスキルの作成です。
例えば、文章を丁寧かつ要点を押さえたビジネスライティング風の文章に修正するための指示を、『文章整形』というスキルとして保存しておきます。
これでプロンプトを保存したことになるのですね。
ええ、ではスキルを使ってみましょう。
例えば、このような音声入力で雑に作成した文章でも、スキル『文章整形』を使えば、このようにすぐに上司への報告文に変換できます。
もちろん、先ほどの文章をワンクリックで挿入する機能も活躍しますね。
これならいつも1時間はかかっていた報告が10分でできそうです!
その他、細かいですが知っておくと便利な点と、いくつかの注意点もまとめてお伝えします。
細かい便利な点は、まず、タブが見やすいこと。
画面上部のViewの設定から、開いているタブが縦に並ぶサイドバータブ設定を有効にすると、どんなページを開いているかの一覧が一目で分かり、作業効率が上がります。
次に、検索感覚でAIに聞けること。
右側のチャット画面だけでなく、新しいタブを開くと現れる検索窓からも直接AIに質問できます。
Google検索と同じ感覚で手軽にAIを使えるのです。
それならGoogle検索するより、まずはAIに聞く方が早いですね。
ええ、その通りです。
便利なだけでなく、押さえておくべき注意点が3つあります。
1つ目、今Diaを使えるのはMacのみであること。
Windows版やスマホ版はまだリリースされていません。
明確なリリース日も未公開となっています。
2つ目、現在はベータ版で利用が制限されていること。
既に使っている人の招待を受けるか、ウェイティングリストに登録して順番を待つ必要があります。
ただし、学生の方は優遇措置として、優先的にアプリをダウンロードできます。
最後に、無料プランには制限があること。
無料プランではAIチャットの利用回数に制限があり、無制限で利用するには月額約3,000円(20ドル)のProプランへの加入が必要です。
利用制限の具体的な回数についての明確な発表はありませんが、現状無料プランでも十分に使えます。
Diaの競合ブラウザ
さて、こうしたDiaのようなAIブラウザは、今後、間違いなく普及していくでしょう。
そこで、Diaと競合する強力なライバルたちを簡単にご紹介しておきます。
ほう、ライバルがいるんですね。
一つは検索AIで有名なPerplexity社が開発した『Comet』です。
Diaのように画面横にいるAIアシスタントを活用できます。
『Comet』は月額約30,000円(200ドル)のMaxプラン加入者ならすぐに利用可能です。
ウェイティングリストに登録していた人にも、順次公開されていますが、日常的にしっかりAI機能を使うには月額3,000円(20ドル)の有料プランが必要です。
ハイエンドユーザーから順に展開している訳ですか。
もう一つはGoogle社の『Chrome』。
『Chrome』は、ChatGPTと肩を並べるGoogleのAI『Gemini』の統合を進めています。
ただ、そのAI機能をフルで使えるのは現状英語圏のみで、残念ながらまだ日本ではAIブラウザと呼べるほどの機能は利用できません。
ちなみに、ChatGPT・Geminiと肩を並べるAI『Claude』の開発元Anthropicも、Google Chrome上で拡張機能として使えるDiaのような画面横のAIチャットを開発中です。
現在1000人限定の先行レビュー中で、一般公開はまだされていません。
大手が次々と開発を進めている…!
ええ。Diaも先日、大手IT企業の傘下に入りました。
Diaの開発元であるThe Browser Companyが、アトラシアンという有名な大手IT企業に買収されたのです。
今後Diaの開発にさらに力が入ると期待されます。
大手の後ろ盾があると心強いです!
このように、AIブラウザ開発は、熾烈な競争が起きています。
ただ、新しいブラウザへの乗り換えは、昔と違いブックマーク(お気に入り)の移行なども含めて非常に簡単です。
重要なのは、『いかにAIの力を引き出して仕事ができるか?』という視点で適したツールを選び続けることでしょう。
まとめ
さて、ここまでAIを最大限に活用することができるブラウザ、Diaについて紹介してきました。
正直、『コピペを減らす』と聞いた時、大したことないと心の中で馬鹿にしていました。
でも、実際にその便利さを見て、自分の考えが浅はかだったと今猛烈に反省しています…。
これからは、このDiaを使いこなし、AIありきの仕事のしかたを身につけてみせます!
その意気です。
Diaは、AIがもっと身近で、もっと頼れるパートナーであることを体験させてくれます。
というわけで、今回のAIニュースは以上です。
皆さんのAI活用のヒントになったら幸いです。
また次回、お会いしましょう。