マスター!大変なことになりました。
マジさん、どうされたのですか?そんなに慌てて。
上司からタスク管理ツールの導入検討に必要な情報を調べておいて。と言われたのですが、まだ何も終わっていません。
期限は明日の10時。このままだと僕の輝かしい評価が夜空の流れ星より早く消失してしまいます。
タスク管理ツールの導入検討ですか。何も終わっていないとは何があったのでしょう?
ChatGPTをいじっていたら日が沈んでいました。
僕ほどの切れ者になると1つの情報から100の疑問が湧き出てしまうもので。
気になることをどんどん調べているうちに気づいたら時間が過ぎていたと。
ええ!しかもAIが提示した話を深掘って調べていたら、そもそも間違った情報だったことに途中で気づきました。
もう何を調べたら良いのか分かりません。
状況は理解しました。よろしければ、いつものように私のラボで詳しくお話を聞かせていただけますか?
え、いいんですか?ぜひお願いします。
AI時代の新常識「ノイズレスリサーチ」
まずは状況を整理しましょう。
上司の指示でタスク管理ツールの導入検討のためにリサーチを始めた。ChatGPTに次々質問してもリサーチが終わらない。期限は明日の朝10時と迫っている。
こういうことでよろしいですね。
はい。それでどうすればこの窮地を脱せるのでしょうか?
時間を巻き戻すプロンプトでも構いません。
単刀直入に申し上げます。
AI時代に調べる内容を自分で考えてはいけません。
な、唐突な知性の自殺はおやめください!調べる内容を考えずにどうやって調べるというのですか?
そもそも何を調べるのかということからAIに決めさせて調べてもらえば良いのです。
私たちが行うのはどういった背景で情報収集が必要なのかをAIに説明するだけです。
そんな丸投げでうまくいくはずがありません。マスター、いくらなんでもAIに夢を見すぎです。
実はAIの登場によって情報収集の常識が根本から変わったのですよ。
一体何が変わったというのです?
情報収集において、かつてはいかに多くの情報を集めるかが重要でした。
例えば、マジさんの状況なら、タスク管理ツールにはそもそもどんなツールがあり、それぞれの特徴は何かと言った情報をウェブ検索を駆使して漏れなく集めるといった具合です。
ええ、その通り。
AI が爆発的な量の情報を瞬時にもたらすようになった今、情報収集で重要なことは、いかに情報を集めるかではなく、いかに不要な情報、すなわちノイズを削ぎ落とすかに変わったのです。
そこで私のおすすめがノイズレスリサーチです。
ノイズレスリサーチ?何ですかそれは。
情報収集におけるノイズを2つの段階でなくすことで、リサーチにかかる時間を最小限に抑える手法です。
1つ目は調べる前のノイズ。2つ目は調べた後のノイズです。
まずは1つ目、調べる前のノイズを減らします。
そもそも調べる内容からAIに絞ってもらうのです。
必要な情報だけを調べれば、余計なノイズを大幅に減らせます。
でもそれでAIが全く関係ないことを調べ始めたらどうするのです?
リサーチ途中の脱線はAIではなく、むしろ人間がやってしまうことです。
AIであれば興味がそそられたことにより道することもなく、ただひたすら必要なことだけ調べてくれます。
確かに人間の方が寄り道をしてしまうというのはそうかもしれませんが、本当にAIが必要なことを判断できるのですか?
初めにAIが情報収集のゴールを設定し、都度そのゴール達成のために何を調べるべきか考えます。
具体的な手法は後ほどお見せしましょう。
でもマスター、100歩譲って、AIが必要なことだけ調べられたとしても、AIの出力は分量が多い上に間違った情報も混じっていて見分けがつきません。
調べられた結果が役に立ちませんよ。
鋭いご意見です。
そこで重要になるのが2つ目の調べた後のノイズを減らすこと。
AIにリサーチした結果の中からゴール達成に必要な核心情報だけをまとめてもらいます。
さらに、その情報が信頼できるかどうかのファクトチェックも実行してもらうのです。
間違った情報はゴール達成には関係のない最大のノイズですからね。
調べることをAIに考えてもらって、ファクトチェックもして、そんな亀のような歩みでは日が暮れてしまいますよ。
自分でGoogle検索する方が早いです。
いえ、一見ゆっくりと進めているように見えても、必要な情報だけを調べれば、結果的にかかる時間は最短になります。
それは仕事で最も時間をロスするのはやり直しだからです。
実際、マジさんは余計な情報を調べてしまった結果、半日経っても何も終わらなかったのではありませんか?
わかりましたよ。
もうやり直しは嫌です。
早くその最短で情報収集を終えられる方法とやらを教えてください。
3つのプロンプトで実践する最短リサーチ
では早速情報収集の実践方法をお見せします。
今回使用するAIツールは最新のChatGPT-5。
リサーチの大まかな流れはこうです。
ステップ1で情報収集のゴールを明確化し、ステップ2で調べたいことをざっくり調査。ステップ3でより詳細を調査して深掘り。
調べるべきことをAIに提案させ、ファクトチェックしながら詳細を調べていきます。
なるほど。シンプルですね。
では、マジさんの状況に当てはめて実践してみましょう。
まずはステップ1。情報収集のゴール設定です。
AIとの対話を通じて、なぜその情報が必要なのかを明確に言語化します。
僕のゴールは上司に報告できるタスク管理ツールの情報集めですよね。
それではざっくりしすぎです。
ゴールは達成された時の情景が頭に浮かぶほど具体的にしなければ、達成のためにすべきこともあやふやになってしまいます。
具体的にと言われてもどうすればいいか分かりません。
AIの力を借りましょう。
ゴールの曖昧なところを自分に質問するようAIに指示して対話形式にすることで非常に考えやすくなります。
AIへの指示には是非このリサーチのゴール設定プロンプトを使ってみてください。
情報収集のゴール設定に必要な質問をAIが投げかけてくれます。
AIの質問に答えていくだけでゴールが具体的に言語化されるよう設計しました。
リサーチのゴール設定プロンプト
情報収集の曖昧な目的を具体的で達成可能なゴールに変換するためのプロンプトです。
プロンプトでは良いゴールとはどういうものなのかという説明もしています。
AIにゴールという抽象的な言葉の意味を具体的に伝えるためです。
では、このプロンプトを送信してみます。
送信すると、このようにChatGPTから質問が返ってくるので、あとは質問に答えていくだけ。
マジさん、実際に質問に答えてみてください。
わかりました。
タスク管理ツールの導入検討のために必要な情報を調べろと上司から指示されて調べることになりました。
質問に回答すると、ゴールを設定するための質問を次々と投げかけてくるので、続けて回答していってください。
もし途中でChatGPTからの質問が難しいと感じたら、答えるのが難しいと伝えれば大丈夫です。
より答えやすい質問をしてくれますから。
では質問1に答えてみてください。
今は毎日の会議で各々がタスクの進捗を共有し合っているけれど、それだと毎回時間がかかってしまいます。
進捗管理が見えづらいし、タスクが漏れていて怒られている人もよくいます。
どうでしょう。このように対話するだけで何をめざして情報収集するのか、具体的なゴールが見えてきます。
すごい。これなら明確にゴールが頭に浮かびます。
では、ステップ2。ゴールが明確になって初めて実際に調査をしていきます。
まずは調べたい内容に関してざっくり把握することが大事です。
初めから細かいことを調べてしまうと、ゴール達成に関係ない情報が多くなり、時間がかかってしまいます。
まさに今日の僕。タスク管理ツールの創業者のブログを読んで、その開発思想に感動しているところでした。
そういった細かい情報に時間を使わないよう、詳細な情報はまだAIに提示させず、ざっくり大枠だけ理解できる調査結果を出力させるのがお勧めです。
そこで是非この知りたいこともざっくり調査プロンプトを使ってみてください。
このプロンプトでは、まずAIにゴール達成のために何を調べるべきかを考えさせます。
その上で調査した結果を結論の要約と3つの主要なポイントに絞って報告させることで、私たちが短時間で大枠を理解できるよう設計しました。
まさにノイズレスリサーチですね。
ええ。ちなみに、ChatGPTのチャット欄にはウェブ検索というボタンがありますが、そちらを押す必要はありません。
調べてとテキストで指示していれば、ウェブ検索をしてくれます。
では実際に知りたいこともざっくり調査プロンプトを送信してみましょう。
知りたいことのざっくり調査プロンプト
情報収集のゴールを達成するために必要な情報の全体像をざっくり把握するためのプロンプトです。
プロンプトを入力すると、自分が知りたいことに対するざっくり調査の結果が表示されました。
今回の場合だと、タスク管理ツールの導入にあたり、何を比較検討すればいいのか、導入するならどのようなツールがあげられるのかが表示されていますね。
なるほど。こうやって大枠を掴むのですか。
ええ。こうして大枠を把握することで、どうでも良い細かいことばかり調べてしまうことを防ぎます。
ではステップ3。ざっくり大枠を把握したところで、詳細を調べて深掘っていきましょう。
ここでも調べる内容はAIに考えてもらいます。
調べることをAIが提案、調査実行、ファクトチェックというサイクルを回して詳細を深掘りしていくのです。
ここでファクトチェックも行うのですね。
ええ。まずは先ほど設定した情報収集のゴールとざっくり調査した結果を踏まえて、次に調べるべきことを提案してもらいましょう。
ここでは是非私の作成した次の一手提案プロンプトを使ってみてください。
このプロンプトは、ゴールと調査結果をもとに、次に取るべきアクションを3つに絞って推し案とともに提案してくれるよう設計してあります。
次の一手ですか?ただ調べることを考えてもらうのだと思っていましたが。
良い着眼点です。
基本的には次に調べることを提案してくれます。
ただ情報収集においては、AIの調査だけでなく、実際に自分で手を動かさないとゴールを達成できないこともあります。
例えば、導入を検討しているタスク管理ツールを実際に手元で使ってみて判断する場合などです。
確かに簡単にいじれるツールがあれば、調べすぎるより実際に触ってみた方が早そうです。
その実体験が一番の判断材料になることもあるでしょう。
そこでこのプロンプトでは次に調べることだけでなく、自分で手を動かすことも含めて次にとるべき一手として提案するよう設計しているのです。
では、実際にプロンプトを送信します。
次の一手提案プロンプト
ゴールと現在の調査結果のギャップを分析し、次に取るべき最適なアクションを提案するプロンプトです。
すると、次にやるべきこととして3つのアクションプランが提示されました。
ここまでの情報を踏まえて、どのアクションプランがおすめなのかも表示されています。
おお、こうやってAIが次に調べること、やるべきことの道筋を示してくれるんですね。
ええ。では、今回は提案してもらったアクション2、つまり機能や料金の比較を調査してもらいましょうか。
先ほどのやり取りに続けて、チャット欄にアクション2を実行してと入力すると、このように調査結果を出力してくれました。
これで提案資料を作るなら、どのような内容を入れるべきかも提案してくれていますね。
では次に、この調査結果をファクトチェックしておきましょう。
情報が間違っているかもしれない状態で先に進むのは、やり直しのリスクが大きく危険です。
僕もそれで痛い目を見ました。
でもどうやってファクトチェックするのですか?
AI自身に調査結果をチェックさせるのです。
先ほどAIが出力した内容に対して、それぞれ本当に信頼できる情報源があるかどうかをAI自身にチェックしてもらいましょう。
ファクトチェックには、ぜひこのソース付きファクトチェックプロンプトを使ってみてください。
このプロンプトは、AIが提示した各情報について、ソース、つまり情報源とその確認箇所を明記させ、3段階で情報の信頼性を評価するよう設計しました。
ソース付きファクトチェックプロンプト
調査結果の信頼性を検証するためのプロンプトです。
これでAIの嘘を見破れるわけですか。
AIによるチェックなので、絶対に信頼できると断言はできません。
ただ、このプロンプトを使えば、情報源のリンクだけでなく、リンク先のどの部分に情報が記載されているのかもAIが確認するため、より厳密にチェックが可能です。
その上、自分の目で確認する際の手間も減らせます。
確かにソースだけだと、いざそのリンク先に飛んでみたら情報が書いてなかったなんてことがありました。
では、実際にプロンプトを送信してみます。
このプロンプトは厳密にファクトチェックするだけあり、出力されるまでには時間がかかります。
出力するまでしばらく待ちましょう。
出力されましたね。このように絵文字を使って分かりやすく情報の正当性を評価してくれます。
確かに見やすくてありがたいです。
ここまでで、調べることをAIが提案、調査実行、ファクトチェックという1サイクルが終わりました。
あとはマジさんがこのサイクルを繰り返して調査を深めていくだけ。
例えばファクトチェックが終わったら、再び次に何を調べるべきかAIに提案してもらうため、次の一手提案プロンプトを使うといった形です。
この繰り返しでAIが対話的に導いてくれるので、もう道に迷うことはありません。
すごい。これなら僕でも上司がすぐに意思決定できる提案レポートが作れそうです。
最適なAIツールを選ぶということ
ちなみにマスター、なぜ今回はChatGPTだったのでしょうか?
他にもGoogleのGeminiやAnthropicのClaudeなど、色々なAIツールがありますよね。
良い質問ですね。
結論から言うと、ウェブ検索のスピードと正確さにおいて、現時点ではChatGPTが最も優れているからです。
GeminiやClaudeでも同じようなことは可能ですが、ウェブ検索においてはまだChatGPTが少しだけ優れています。
なるほど。Xの情報が見られて便利だと聞きましたが、どうなのでしょうか?
よくご存知ですね。確かに、Grokが持つX上のリアルタイム情報へのアクセス能力は、最新の口コミを調べる際には非常に強力です。
しかし、リサーチ全般における情報の信頼性や汎用性を考慮すると、ChatGPTに軍配が上がります。
他にも検索に特化したAIツールもあると聞いたことがありますが。
有名な検索特化のAIといえば、Perplexityのことでしょう。
情報源を明記した正確な情報を素早く収集する点に優れています。
ただ、その性能は現在のChatGPTのウェブ検索機能と比べて特段差があるわけではありません。
むしろ、今回実践したようなゴール設定の壁打ちから調査、ファクトチェックまでを一気通貫で行える汎用性の高さを考えると、ChatGPTの方がより優れていると言えます。
確かに1つのツールで完結するのは魅力的です。
そういえば、ChatGPTにもっと詳しく調べさせるディープリサーチ機能というものはありませんでしたっけ?
良いところに気がつきましたね。
確かにディープリサーチは、じっくりと調査を行い、非常に詳細なレポートを作成してくれる優れた機能ですが、この機能は我々が目指すノイズレスリサーチの思想とは逆行します。
出力される情報が詳細かつ膨大なため、かえって時間を浪費する可能性が高いのです。
確かに、単に高機能のものを使えばいいというわけではないのですね。
新たな武器を手に未来へ
今日の1番のポイントは、AI時代の情報収集は集めるから削ぎ落とすに変わったこと。
そして、そのためにAIに調べる内容と調べた結果の両方を絞り込ませることの重要性でしたね。
最初に調べる内容を自分で考えてはいけませんと言われた時は、正直困惑しましたが、AI時代において大事なことに僕は気づけました。
AI時代は莫大なAIのアウトプットの海に溺れないようにしないといけない。
そのためには、自分が調べることで何を達成したいのか、ゴールが見えていないといけなかったのだと分かりました。
素晴らしい気づきですね、マジさん。
その調子なら、きっと素晴らしい調査資料が完成すると思いますよ。
必ずや最高の調査資料を完成させて見せます。