これさえ押さえれば取り残されない、最先端のAIニュースを1日1つお伝えします。
マジさん、日本からとんでもないAIスタートアップが登場したのをご存知ですか?
なんですって!?
日本からですか!
いったいどんな企業が?
『Sakana AI』という企業です。
11/17に三菱UFJ銀行などから約200億円を調達し、企業価値は最大で約4000億円と報じられています。
よ、4000億!
Sakana AIなんて可愛い名前で、とんでもないスタートアップですね!
そうですね。
2023年の創業からたった2年でここまで成長しています。
成長スピードは国内最速です。
す、すごい!
日本はAIで完全に出遅れているとばかり思っていましたが、そんなすごい企業があったとは…。
ええ、知らない人も多いはずです。
今日は、このSakana AIがなぜ今、世界中からこれほど熱い視線を集めているのか、ChatGPTと比較しながらその秘密を紐解いていきます。
ChatGPTとの比較も!
気になりますね!
Sakana AIって何?
まずSakana AIがどんな会社なのかというと、東京を拠点に日本特化のAI開発をしているベンチャー企業です。
今は企業や研究者向けにAIサービスを提供しています。
東京でAI開発とはなんか新鮮ですね!
一体どんな人たちが作った会社なんですか?
創業者たちは、ひとことで言うと『GoogleでAIを作っていた伝説級の天才たち』です。
おぉ伝説級の天才ときましたか!
マスター、いくらなんでも期待値を上げすぎでは?
そうでもありません。
まず中心人物の一人、リオン・ジョーンズ氏。
彼は、現在のほとんどの生成AIの基礎技術である『Transformer』という論文を書いた、8人のうちの1人なのです。
あ、『Transformer』聞いたことあります!
AIの仕組みなんでしたっけ?
ええ、よくご存知ですね。
この『Transformer』の技術がなければ、今や世界中で利用されているChatGPTも、GoogleのGeminiも生まれなかったと言えます。
今のAIの根本技術を生み出した天才たちの1人というわけですか。
それはたしかにすごい…。
その通りです。
そして他にもGoogleのAI研究チーム『Google Brain』の元日本リーダー、デイビット・ハ氏もいます。
GoogleのBrain…。
まさに天才たちですね。
でも、日本のAIなのに作ったのは日本人ではないのですか?
日本人ももちろんいますよ。
元メルカリの役員で海外展開を担ったビジネスのプロフェッショナル伊藤 錬氏です。
技術の天才たちを、ビジネス面で支える役割ですね。
なるほど、日本人はビジネス面で支えているのですね。
ええ。ちなみにですが、『Sakana AI』の社名の由来は、実は名前の通り「魚」の動きから来ています。
へぇ。
てっきり寿司好きの外国人がノリでつけたのかと…。
いえ、創業者たちは、魚の群れがリーダー不在でも全体として賢い動きをする様子に注目したのです。
あーたしかに、一糸乱れぬ動きをするイメージがありますけど。
ええ。
『一匹一匹はシンプルでも、群れになることで高度な知性が生まれる。この仕組みをAIにも応用できないか?』という思想が、Sakana AIの根幹にあるのです。
ChatGPTとはどう違う? Sakana AIの2つの革命
魚の群れの知性をAIに応用?
マスター、どういうことですか?
その疑問に答えるには、Sakana AIとChatGPTの作り方の違いを比較するのが一番わかりやすいでしょう。
お願いします!
ChatGPTと比べてどうなのか、そこが一番気になっていました!
一つ目の大きな違いは、AIの"作り方"。
もしChatGPTを『一体の大ボスAI』だとすると、Sakana AIは『100体の小さなAI軍団』のようなものです。
ボスAIとAI軍団…?
RPGみたい!
ええ。
ChatGPTは、一つの巨大で万能なAIを、人間が莫大な時間とコストをかけて育て上げる、いわば『最強ボスキャラ』を育成する方式です。
なるほど。
だからあんなに賢いんですね。
でも、育てるのが大変そう…。
その通りです。
一方でSakana AIは、まず既存のAIモデルやその組み合わせによって、能力の異なる小さなAIをたくさん用意します。
その性能を評価し、優秀なAIだけを選抜する。
これを繰り返すことで、軍団全体が進化していくのです。
まるでポケモンを100匹育てながら、最強のチームを作るみたいです!
まさに。
異なる能力を持つAI同士を組み合わせて、新しい、より強力なAIを生み出すという考え方なのです。
育て方からしてChatGPTと全然違いますね。
その通りです。
二つ目の、そして最も革新的な違いが、AIの"成長の仕方"にあります。
ChatGPTが『人間が育て続けるAI』なら、Sakana AIは『自分で勝手に成長するAI』を目指しているのです。
えっ、自分で成長する!?
AIが自分で勉強するみたいな話ですか?
そうですね。
ChatGPTの場合、性能を上げるには、研究者が新しいデータを集め、学習させ、微調整するという作業を延々と繰り返す必要があります。
いわば『先生が常に必要な優等生』ですね。
ああ、なんとなく分かります。
たまにAIの学習が〜みたいな話聞きますもんね。
対して、SakanaAIは、小さなAI同士がお互いの間違いを見つけて修正したり、作業を効率化するために必要なツールを作ったりする、自律的なAIの実現を目指しています。
なっ…!
もはや生き物みたいじゃないですか!
ええ。
『小さなAIの群れを進化させていく』という育て方と、『AI自身が自律的に成長する』という仕組み。
この2つが、Sakana AIがChatGPTとは全く違う点であり、革新的な存在だと世界から注目されている理由なのです。
Sakana AIはどんな時に使える?
なるほど…。
Sakana AIがChatGPTとは全く違うアプローチのAIだということはよく分かりました。
でもマスター、具体的に、ボクたちはどんなときにこのSakana AIを使えるんでしょう?
一言でいうと、Sakana AIは『ChatGPTがカバーしきれない領域』で真価を発揮します。
ChatGPTがカバーできない領域があるのですか?
ええ。
たとえば、極めて高度な『専門性』が求められる場面です。
具体的には、銀行が新しい金融商品を開発する際には、規制、市場分析、不正検知など複数の領域の専門知識が必要になります。
業界でしか通じない言い回しとかも、多そうですね…。
その通りです。
専門性には、日本語の複雑なニュアンスや、日本特有の習慣への理解も含まれます。
ここも海外製の汎用AIには難しい部分ですね。
たしかに!
『これいい感じにしといて』みたいな、ボクが上司によく言われるフワッとした指示、ChatGPTには伝わらない…!
それはSakana AIでも怪しいかもしれませんが、日本ならではの文脈に特化したAIチームを組むことも可能でしょう。
専門AIチームを組むことで、汎用的なChatGPTより精度の高い分析ができます。
プロジェクトごとに専門特化したAIドリームチームを作るわけですね!
ええ。
そして、圧倒的な『コスト』効率も重要です。
もし工場のラインで流れてくる部品の傷をAIを使って24時間チェックしたい場合、巨大な頭脳のChatGPTを動かし続けるのには非常にコストがかかります。
たしかに!
1個1個チェックし続けてたら、とんでもない金額になりそうです。
その点、Sakana AIの『小さなAI軍団』方式なら、特定の作業に特化した軽量なモデルを安価に動かせます。
毎日、何万もの部品をチェックするような大量の単純作業に特化させることもできるでしょう。
ChatGPTだとオーバースペックになってしまうわけですか。
その通りです。
そして、最後。
決定的に重要なのが『セキュリティ』です。
セキュリティ?
やっぱりChatGPTだと、入力した情報が漏れちゃうリスクがあるってことですか!?
いえ、そういうわけではありません。
ChatGPT自体のセキュリティが低いわけではないのです。
問題は、会社のルール、つまり『コンプライアンス』です。
いわゆるコンプラ違反になってしまうと?
はい。
特に日本の金融機関や官公庁では、『会社の重要情報を外部のサーバーに送ること自体が許されない』という厳しいルールがあります。
万が一のリスクも許容できないからですね。
なるほど!
ツール側に情報が漏れるリスクがある、というより『会社の外にデータを出す』こと自体がNGというわけですね!
その通りです。
その点、Sakana AIは日本に拠点を置く企業として、そうした国内の事情に合わせたチューニングが可能です。
企業内のクローズドで安全な環境で動かせるようにし、コンプラを守りながら、AIの恩恵を受けられるのです。
専門性が高く、大量の作業を安くこなせて、しかも日本の事情も汲んでくれると。
たしかにChatGPTが苦手そうなところです!
しかし、「期待先行」の懸念も…?
ここまでSakana AIの革新性についてお話ししてきましたが、実は今、世界中から注目を集める一方で、厳しい批判の声も上がっていることを知っておく必要があります。
えっ、批判ですか?
はい。Sakana AIには大きく分けて2つの懸念点があるのです。
1つ目は、過去の『論文取り下げ』問題。
実はSakana AIは、2025年2月に発表した技術論文について、一部の主張が不正確だったとして取り下げた経緯があります。
ええっ、論文を取り下げ…
それはかなり信用が落ちそうな気がしますね…。
そうですね。当時は『成果を急ぐあまり、検証が不十分だったのではないか』という指摘も受けました。
そして2つ目が、今回の4000億円という評価額に対する『バブル懸念』です。
たしかに4000億円って、すごすぎてピンときてませんでしたが…。
冷静に見ると、現在不明確な売上規模に対して評価額が高すぎるのではないか、と指摘されているのです。
実態としてのビジネス規模よりも、期待値が先行してしまっている『AIバブルの象徴』として危ぶむ声も上がっており、ネット上では再炎上のような状態になっています。
なるほど…。
技術はすごくても、会社としての評価はまた別の話なんですね。手放しで喜んでいいわけではないのか…。
その通り。
技術的なポテンシャルは高いですが、この『期待と実績のギャップ』が今後どう埋まっていくのか。そこは冷静に見守る必要があります。
堅実に頑張って欲しいですね!
このニュースから見えること
そうですね。そしてマジさん、Sakana AIの登場が示しているのは、単に『すごいAI企業が日本にできた』ということではありません。
違うのですか?
ええ。
これまでは、OpenAIやGoogleのように、とにかく巨大で万能なAIモデルを『作る』企業がAI競争において全てを支配すると考えられてきました。
しかし、Sakana AIのアプローチは、その常識を覆そうとしています。
大ボスAIではなく、小さなAI軍団という話ですね。
はい。
ゼロからAIを『作る』だけでなく、Sakana AIのように既存のAIを巧みに『組み合わせて、使いこなせるようにする』ことの価値も、これから高まっていくのです。
な、なるほど!
ボクみたいなAIを使う側の人間にもチャンスがあるわけですね!
その通りです。
実際、AI開発はアメリカの巨大IT企業による独占市場だと思われていたところに、日本から全く新しいアプローチが登場し、世界の注力を集めているのですから。
日本のAIが、世界を相手にジャイアントキリングを起こすかもしれない…!
胸が熱くなります!
ええ、期待が大きいですね。
それでは本日のデイリーニュースは以上です。
また明日お会いしましょう。